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試作さたものの用途が不明だったり、実際に使うと不便なところが多く世に出回る前に消えるものが数多くあります。今回は軍事面から試作さたものの量産されなかった幻の兵器を紹介します。

競合他社がユニークな物を作るとそれに対抗してよく似た機種を作るというのはよくある話です。しかし、その元となったものよりも見た目を良くしようとしたり、あるいは機能面で超えるような設計をしたところ”よく分からない何か”になってしまい結局採用されず、試作品だけで終わるということは数多く存在しています。

今回は過去に作られた軍事兵器から量産されず試作、構想だけで終わった幻の兵器を幾つか紹介していきます。 

XF2Y シーダート

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航空機のジェット化が進んだ第二次世界大戦後、空母艦載機もジェット化が進んだものの従来のレシプロ機に比べ大型でスペースが限られる航空母艦上での運用が大きな障壁となっていました。そこで、米軍は飛行甲板を必要としないジェット水上機を考え出します。

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1948年10月、アメリカ海軍は国内の航空機メーカー各社に対して「超音速飛行も可能なジェット水上戦闘機」の要求案を提示します。そこでコンベア社は要求案に対してフロートを使用せず、水上スキーの原理を用いた離着水を行う水上航空機を構想し、1952年12月に試作1号機、XF2Y-1が完成しました。

しかし、蒸気カタパルトとアングルド・デッキの登場で困難とされていたジェット機の空母への離着艦が飛躍的に容易になり、YF2Yの開発は中止されました。

ナット・クラッカー

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1977年頃、垂直離着陸機『ハリアー』に対抗し、米グラマン社が設計した垂直離陸ジェット戦闘機。胴体の後半分が折れ曲がるというこれまでにない離着陸方式がとられ、甲板を持たない輸送艦などでの運用も可能とされていました。
こちらの航空機は試作機が登場する前に計画が中止しています。

EF-84D

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冷戦時、計画されたのは爆撃機を護衛するための特殊な戦闘機です。アメリカはF-84Fサンダーストリークを改造したEF-84Dを開発。『Tom Tom計画』でパラサイト・ファイター(寄生戦闘機)として試作されました。

上の写真は1953年3月から4月に行われた飛行で、B-29を改造したEB-29AとEF-84D 2機が空中で翼を繋げ飛行を行いました。しかし、その後事故が発生したらしくEB-29Aが墜落。搭乗していた5名が死亡したようです。

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この計画は長距離を飛行できる爆撃機と燃料の悪いジェット戦闘機の航続距離の差を無くすた行われたものです。しかし、その後空中給油機の登場により必要のないものとなりました。

TV-8

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1955年、アメリカで開発された水陸両用戦車。丸い砲塔部分が船体になり、砲塔後部のスクリューで水上を航行。内部構造としてはエンジンから乗員まで、すべて砲塔部分に収められていたとされています。

オブジェクト760

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1961年、ソ連で試作されたエアクッション式のホバー戦車。偵察、空挺戦闘車両を開発する研究として試作されました。本試作車は1961~63年にかけ湿地や新雪、水上など戦車が不得意とされる環境下で走行試験が行われました。

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結果は良好で続くBRDM-MIC(オブジェクト761)計画を構想していたものの、何らかの理由により計画が中止されています。

参考:Wikipedia