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世にも奇妙な姿をしている深海生物を飼育しているのは三重県の水族館。なんとここには2009年1月以来、断食状態の生き物がいるそうです。

人間の場合、水があればもって1ヶ月、水がない状態だと数日程度しか行きられない生物です。三重県鳥羽市の鳥羽水族館で飼育されているのは2匹の「ダイオウグソクムシ」。なんとこのうち1匹は、最後に食事を採ったのが2009年1月2日です。しかもアジ1匹。それから全く食べようとはせず、ついに5年目の断食を迎えてしまいました。

鳥羽水族館によると、月に1回餌やりを行なっているそうで、この日は30cmのサバを水槽内に沈めたといいます。すると口を動かしながらサバに近づき食べる気配をみせたものの、そのままサバの上を通過していったといいます。
口にあわないのかなんなのか。飼育員の森 滝丈也さんは「水温を5度に下げ動きが良くなり、期待したが残念だった」と話しています。

ダイオウグソクムシはメキシコ湾、西大西洋周辺の深海200~1000mほど海底砂泥地に生息しています。体長は20~40cm、大きいもので最大50cm近くにもなり体重は1kgを上回ります。

深海生物は小食?

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グラフ:イカにおける体重と、酸素消費量の相関関係

ロードアイランド大学とリスボン大学の共同研究によると、深海2000mで生きるというダイオウホウズキイカの場合、体重500kgのものでも1日あたり50g程度の魚を食べれば生きていける(5kgの魚一匹で200日間の生命活動をまかなえると計算されている)とされています。これはクジラが必要ようとするエネルギーの300分の1から600分の1程度になるそうです。

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ダイオウホオズキイカ

ダイオウホオズキイカはダイオウイカ以上に巨大なイカである可能性を持ち、体長は約12~14mとされる。南極海周辺の深度2,000mの深海域に棲息しダイオウイカと同じく、深海棲の大型のイカや魚を餌にしていると考えられている。捕獲される機会が非常に珍しい生物である上に、研究には複数の難題があるため、現在までのところ生態の解明はあまり進んでいない。
参考:毎日jp