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安そうなアーミーコートを纏い涙する官僚。どうやら逆効果だったようです。先日、花火が爆発し橋が崩落するという事故が発生し、とある副局長が視察に訪れた様子が報じられたそうなんですが・・・。

今月2日、花火や爆竹を積んだトラックが爆発し橋が一部崩落し10人もの死者を出した『河南省・義昌大橋の事故』が発生しました。最近、現場を視察した中国国家安全生産総局の王徳学(ワン・ダーシュエ)副局長なんですが、どうやらその見た目とは別の姿が暴露されてしまいました。

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写真:事故現場を視察中の王徳学 副局長

問題となった副局長は一般庶民もよく着ている安価なアーミーコートを着て現場に登場。何度も涙を拭う姿が見られたそうなんですが、『明らかに不自然な姿』からネットユーザーは直ちに「パフォーマンスだ」、「俳優王とあだなされる温家宝首相の弟子だな」と痛烈に批判されたとのことです。

その後『人肉検索』(インターネットで特定の人物の発言や画像を調べあげること)が行われ、なんと一般的な公務員でも買えないであろう高級時計を10種類持っていることを暴きだされました。中国では副局長を「新時計アニキ」と命名し叩きの対象となっているといいます。

時計アニキ

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中国でネットスラングとして流行語になったのは「表哥(時計アニキ)」という言葉です。この言葉は2012年9月に登場し、発端となったのは8月末に陝西省延安市で寝台バスとタンクローリーの衝突事故です。

陝西省安全生産監督管理局の楊達才(ヤン・ダーツァイ)局長(当時)が悲惨な事故現場の視察中に、ヘラヘラ笑っているところを撮影されました。これがネットユーザーの怒りを買い「この不謹慎な男は誰なのか」と人肉検索が行われました。

結果、高級な腕時計をいくつも身に着けている写真がいくつも見つかったことから「時計アニキ」と命名。この騒動はネット上だけに収まらず、テレビや新聞などでも報道。楊氏本人は新聞のインタビューを通じ問題の写真について弁明するものの、既に当局が動いており騒動からわずか1ヶ月あまりで局長から解任されました。

参考:Record China