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中国の大気汚染について日本にも影響があると毎日のようにテレビで報道されていますが、中国では大気だけではなくありとあらゆる物が汚染され、それでも環境で暮らしている人がいます。今回は中国に存在するというガン患者が多発しているガンの村について紹介します。

BBC中国語サイトによると、中国には環境汚染が原因でがん患者が多発する「がん村」が100カ所以上存在していると報じています。

これは中国環境保護部が発表した「化学品による環境リスク防止・制御に関する第12次5カ年計画(2011~2015年)」によって明らかになったものだそうで、化学物質による環境汚染によって多くの地域で飲用水の深刻な汚染が発見されているだけでなく、がん患者が多発する「がん村」も全国に存在しているとしています。

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河南省洛陽市(2011年)

がん村については中国東部の沿海地域に多くみられていたそうなんですが、環境を汚染している関連産業が内陸部へ移転し初め、それに連れて内陸部へと徐々に拡大していったとされています。

第12次5カ年計画ではどのような対策が行われるのかについて、中国には生産過程で使用する化学物質が登録されているだけでも4万種以上あり、その中でも人体や生態環境に深刻な影響を及ぼす化学・工業汚染物質3000種以上に対し、全面的な防止・改善措置を施す予定とのことです。

中国で広がる健康被害

こういったブログをやっているとメディアでは報じられない情報(報道するまでもない情報)まで触れる機会が多いんですが、中国で発生する汚染は頻繁に聞くものの、環境汚染による健康被害については不自然なくらい目にすることはありません。この傾向について、中国政府が情報を出そうとしないのか、それとも分かっていないのかは不明ですが、いずれにしても出ていないというのは事実です。

その中で、健康被害について書かれているページを紹介すると、中国の湖南省では1965年から2005年の間に骨癌やイタイイタイ病を発症する住民が増えていることが分かっています。特に重金属汚染のひどい株洲では、住民の血液や尿の中から通常の2倍から5倍ものカドミウムが検出されています。

内モンゴル自治区河套地区

また、内モンゴル自治区河套地区では地下水汚染で2000人がヒ素中毒、フフホト市ホリンゴル県では地下水に含まれたフッ素による中毒が蔓延しており、ほとんどの住民が程度の差こそあれ中毒症状みられるといいます。 遼寧省の錦州市と葫蘆島市一帯でも土壌が重金属で汚染されイタイイタイ病を発症。専門家は内モンゴル自治区、湖南省、遼寧省を重金属汚染の深刻な地域だと指摘しています。

参考:Record China