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先月、ロシアで隕石が落下し周辺の街に被害を与えましたが、これとは比べものにはならない巨大彗星が火星に衝突する恐れがあると報じています。ちなみに衝突した場合、500km前後のクレーターができるそうです。

米航空宇宙局(NASA)の地球近傍天体室によると、今回火星に衝突もしくは数万キロの位置を通過する彗星は「サイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)」とよばれるもので、サイズの詳細不明で、直径8km~48kmとされています。彗星の起源は太陽系外縁にあるオールトの雲で、100万年以上かけて現在の位置まで移動してきたものだといいます。

NASAのジェット推進研究所は観測されている放物線状の軌道によると、サイディング・スプリング彗星は、最も遠い場合で火星から約30万kmの範囲を通過すると予想しています。一方、NASAの地球近傍天体室は3月1日までのデータを用いた観測に基づいた計算によると、彗星が火星表面から約50,000kmの距離を通過する可能性が高いと見ています。

また、ロシアの天文学者でケルディシュ応用数学研究所に所属するレオニード・エレーニンの観測では、彗星は火星の中心から約41,000kmの距離を通過する見通しだと報じています。

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参考:1994年、シューメーカー・レヴィ第9彗星が残した木星の衝突痕。彗星は大きいもので直径2km前後。残された衝撃痕は地球と同じサイズになった。

サイディング・スプリング彗星が火星に到達するのは2014年10月19日頃で、仮に火星に衝突するとなると、秒速約56kmで衝突することになり、威力は200億メガトン(広島型原爆は0.01メガトン)、直径500km、深さ約2kmの巨大クレーターを火星に残すと考えられています。

参考:直径約500kmの円
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小惑星と彗星の区別

小惑星と彗星の区別は曖昧な点もあるものの、小惑星は岩の塊である一方、彗星は岩と氷で構成された球体で太陽に近づくにつれ、ガスとちりが放出され私達が一般的に知る『彗星の形』になります。また、小惑星は火星と木星にあるアステロイドベルト(小惑星帯)に属していますが、彗星は太陽系の外側に位置し、その数は数兆個あると言われています。

参考: WIRED.jpNational Geographic(小惑星と彗星の区別)