箸で食事をする中国。外で食事をする際は日本と同じように割り箸を使うことになるんですが、人口が多いことから年間で800億膳が消費されていると言います。

「大量に消費されている使い捨ての割り箸が自然界に大きな負担を強いている」そのように語ったのは全国人民代表大会(全人代)に出席した人物です。吉林森工集団の柏 広新(バイ・グアンシン)会長によれば、中国で消費される割り箸は年間で800億膳にものぼり、「この量は標準的なサイズの割り箸を置いて並べると天安門広場360個分の広さになる量だ」と述べています。

中国国家林業局が2009年に行った調査では、中国の国土面積に占める森林面積の割合「森林率」は20.36%で、世界139位。1人あたりの平均森林面積では世界平均の4分の1に過ぎないとしています。柏会長は「使い捨ての割り箸による自然界への負担を解決するには1人1人が自然の浪費をやめてマイ箸を持ち歩くことと、割りばしに替わる代替製品を開発する必要がある」としています。

2011年、中国国家林業局の資料によると、中国で毎年生産される割り箸の数は約570億膳で、380万本の木を伐採した計算になるとされています。割り箸の材料となるのはポプラやシラカバ、杉、竹などで、出来上がった割り箸の約50%が中国国内で消費され、残りの50%のうち77%が日本へ、21%が韓国、2%が米国に輸出されているといいます。

中国政府は木材の浪費を改めるため、2004年から輸出払戻税の取り消しや増値税及び輸出税の課税などの対策を進めています。また、2010年には中国商務部が割り箸に対する使用規制を発表し、割り箸使用の削減に加え、各地方自治体がメーカーに対し製造・販売・回収に関する厳格な監督・制御を指示しています。

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ちなみに、2007年に使い捨て箸を“リサイクル”していた業者が摘発されています。同業者はレストランから使用済みの箸を安く購入し漂白剤で洗った後、再度販売していました。リサイクルされた割り箸は見た目は新品同様なものの、細菌などは漂白剤では消毒しきれず、衛生面に大きな問題があるとされています。

参考:Record China