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中国国営放送は広東省深セン市にある超高層ビルなどの建設に使用したコンクリートに、塩分を含んだ海砂が混じっていると報じています。

中国国営の中国中央テレビ(CCTV)は14日に放送した特別番組「アクション315」で、広東省深セン市にあり市内一の高さを誇る「平安国際金融センター(建設中)」や市内の地下鉄を建設する際に、海砂を混ぜたコンクリートが使用されており、倒壊の危険があると報道しました。

報道によると、深セン市では毎年多くのマンションや公共施設が建設されている一方で、開発業者らはより多くの利益を得るために通常のコストの半分ですむ安価な海砂をコンクリートに混ぜて使用しているとしています。また、深センだけではなく、中国の巨大複合企業・華潤グループが請け負った広東省最大の都市改造プロジェクト「華潤大冲村」でも海砂が使用されていると報じています。

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平安国際金融センター(建設中)

コンクリートに使用する砂は「川砂」を使用するのが理想と言われ、海砂を使用する場合には塩が鉄筋を腐食しないよう、水を使用し塩分を取り除かなければなりません。しかし、深セン市内の建築材料市場で販売されているのは無洗浄の海砂か、もしくは海水で洗浄した砂「水洗砂」だけといいます。

この報道がされてからは多くの深セン市民からは自分たちの住む建物が「海砂危楼(海砂危険ビル)」ではないかと不安視する声が寄せられているといいます。深セン市の許勤(シュー・チン)市長は、市内の建物をローラー方式で調査するよう指示し、近日抜き打ち検査の結果を発表すると発表しています。

参考:Record China