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銀河の中心には桁違いの質量を持つ天体ブラックホールが確認されています。欧州宇宙機関(ESA)は、この大質量ブラックホールに吸い込まれたとされる恒星を観測したと発表しました。

欧州宇宙機関(ESA)は4月2日、ブラックホールが接近した巨大惑星(もしくは褐色矮星)を吸い込む現場が確認されたと発表しました。

ESAによると、ブラックホールは地球から約4700万光年離れた銀河NGC 4845の中心に存在しており、2011年頃に高エネルギーを検出したため追跡観測を開始したそうです。その結果、ブラックホールの質量は太陽の30万倍以上あり、木星の約14倍から30倍の天体がこのブラックホールに接近し、吸い込まれていることを特定したとしています。

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画像:NGC 4845

今回の発表について、論文の筆頭著者であるビャウィストク大学のマレク・ニコラヨク氏は「今回の発見は驚きです。この銀河は少なくとも30年間は静かでした」と述べており、宇宙でもこのような現象は非常に稀であるとしていす。

今回の観測はESAの「XMMニュートン観測衛星」、ガンマ線観測衛星「インテグラル」、アメリカ航空宇宙局(NASA)のガンマ線バースト観測衛星「スウィフト」、そして日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「全天X線監視装置(MAXI)」が使用されています。

ブラックホールに破壊された天体

米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターは2010年5月、ブラックホールから僅か1天文単位(約1億5000万km)ほどに近づいた恒星がバラバラに破壊される様子の撮影に成功しました。これは米ハワイ州マウイ島のハレアカラ山にある望遠鏡や米航空宇宙局(NASA)の衛星により観測したもので、この現象により、27億光年離れた銀河の中心にあるブラックホールを特定することができたとしています。

Black Hole Devours Star -- 139 Days of Stellar Devastation | Video

参考:sora.jp