8151

火星から行って帰ってくる往復のミッションは片道250日。これが現在化学ロケットを使用した想定なんですが、アメリカでは火星まで僅か30日で行くことができるという次世代エンジンが開発されています。

ワシントン大学の研究チームが研究・開発を行なっているのは従来の化学反応を利用したロケットエンジンではなく、核融合反応を利用した次世代のロケットエンジンです。研究者のJohn Sloughさんによると、エンジンの仕組みはシンプルで巨大なリチウム製のリングと重水素とトリチウム(ペレット状)と水素の同位体からなっており、磁場がペレットを閉じ込め圧縮。核融合を発生させ、宇宙船を加速させるとしています。

具体的には核融合で発生させた秒速30kmの推進力を10秒おきに発生させ、宇宙船自体を時速32万kmにまで加速させることを目標としています。このスピードにより、現在片道240日かかる火星までの航行は30日まで短縮できると主張しています。

a7e3819a.jpg

核融合を発生させるのに必要な電力はソーラーパネルで得ることで余計な燃料等は少なくすることができ、燃料のコストも20億ドル(約2000億円)ほどに抑えられるとのことです。現在ワシントン大学では、どうエンジンの生成する作業に入っています。

7709c480.jpg

核融合を使用した宇宙船(イメージ)

他にある核融合エンジン

717760d8.jpg


アメリカにはワシントン大学以外でも核融合エンジンを開発しているところがあり、アラバマ州ハンツビル校では核融合インパルスロケットエンジンという次世代の推進エンジンを開発しています。Zピンチ核融合と呼ばれる技術で重水素とLi6(リチウム同位体)の結晶構造を核融合することで推進力を発生させます。

この技術を使用することで火星まで平均時速26万km、90日でいくことができるとしています。

参考:GIGAZINE