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中国では抗日戦争を題材としたドラマが毎日のように放送されているというのはご存知かと思います。この抗日ドラマについて、中国メディアは2012年を最大期にブームに陰りが見えていると報じています。

銭江晩報は『横店映画村で撮影される抗日戦争ドラマブームが去った』と報じました。 現在中国で放送されている抗日戦争ドラマとは武術の達人が素手で日本兵を真っ二つにしたり、手榴弾を投げて戦闘機を撃墜したりとリアリィーに欠ける作品が量産されており、その内容があまりに酷いと中国内でも批判が高まっていました。また中国共産党からも「正しい抗日戦争の知識が広がらない」と苦言があったのも原因と見方があります。
補足:横店映画村
横店映画村(横店影視城)は中国浙江省にあるアジア最大級の映画撮影所。年間150本のドラマ撮影が行われており、別名「抗日本拠地」と呼ばれている。
横店映画村では現在26本のドラマが撮影されているものの、そのうち抗日戦争ドラマは3本だけ。これまで月に10本も撮影されていた昨年に比べると大幅に減っているといいます。


米メディアによると、中国が2012年に放送した「抗日」をテーマにした映画とドラマは約200本。取材に応じた映画評論家の朱大可氏によ ると、「抗日作品以外は政府の関連部門の厳しい審査を通過しなければならず、これが非常に難しい。」「一方で抗日ドラマさえ作れば、偏向した民族主義者の 賛同を得られるとテレビ業界の人間は思っている」と述べています。また、量産される抗日映画・ドラマについて中国政府が最近改定した規定と関わりがあると も説明しています。

連続テレビドラマ「遍地狼煙」という抗日ドラマのある俳優は「中国でこれだけ多くの抗日ドラマが撮られているのと尖閣問題は関係ない。日中関係が緊張しているからこうしたドラマを作っているわけでもない」とも述べています。

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史 中鵬さん(中央)

一般的にこれら作品は有名な俳優が演じることは少なく、日本兵として「1日に(放送されたドラマ内で)8回死んだ」と報じられたエキストラの役者・史忠鵬氏は「日本兵を演じるのはあまりいい気分ではない。日本兵は必ず死ななければならないし、その死に方も爆死など非常に悲惨なものだ」と抗日作品を語っています。

参考:Record China 

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