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今月2度同じ地域で発生したのは石油製品を製造するプラント建設の反対デモです。当局はデモ参加者が使用していたマスクを制限するためか、購入について身分証の提示を指示しているといいます。

南方日報は5月25日、「デモでの使用を警戒、昆明市がマスク購入実名制を導入」という記事を掲載しました。記事によると、実名制つまり身分証等の提示が必要とされるのは雲南省昆明市安寧市内のみで、これは当局がデモを警戒しているためだと噂されています。

一部ネットユーザーの情報によると、安寧市の工商局は同市でマスクを販売している店舗に対し5月21日からマスク類を販売する場合には購入者の実名登記が必要だと通達しているといいます。

その通達書を撮影した写真には「各種マスクの販売管理業務の強化に関する通知」と見出しがあり、

(1)安寧市のマスク販売店は2013年5月21日より販売に際して購入者の実名を登記すること。
(2)姓名、身分証番号、購入したマスクの形式と数、日時を記録すること。
(3)通達に従っているか工商部局は検査し、登記を行っていない場合は処罰する。

という内容が書かれていました。

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写真:5月16日に発生したデモ

このような事態になったのは数日前に昆明市でパラキシレンなどを生産する石油化学工場の建設計画に反対するデモが発生したためだと言われています。デモの参加者の多くはマスクで顔を隠していたことから、当局はデモを懸念して実名制を導入したのではないかとネットユーザーらは推測しているといいます。

雲南省昆明市で発生したデモ

雲南省の省都、昆明市で発生したのはパラキシレン工場建設反対デモです。初めて行われデモは2013年5月4日で、新華社はデモの参加者200人と報じている一方、ネットユーザーによると2000人を超える規模だったとしています。この日、成都市でも石油化学プラントの運用中止を求めるデモが呼びかけられていたものの、当局が大量の警官が動員されておりデモ事態が中止になりました。

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写真:5月16日に発生したデモ

その後、5月16日に昆明市で再びデモが発生します。また同じ時期に昆明の各高等教育機関に学生や教職員がデモに参加しないよう通知が届いており、「(デモの発生や状況を)ネットでの転載や拡散、公共の場所で発言をしてはならないと書かれていたといいます。またこれに加え、「本人の家族も上記活動に参加しません」と誓約する署名をも求めている内容でした。

しかし、16日のデモは抑えこみが効かずデモの様子がネット上にアップロードされるも、その内容は即座に削除されるという異様な状態だったとのことです。

参考:Record China