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浙江省臨海市に建設されたとある公共施設。この建物は完成後、僅か一晩で異音とともに傾きが発生。そして同日午後に取り壊されうというスピーディーな出来事がありました。

銭江晩報は5月24日、中国浙江省臨海市で完成したばかりの3階建ての高齢者活動センターが一晩で2階建てに変わってしまったという内容を報じました。

記事によると、5月23日午前0時40分頃、臨海市大洋街道桑園村の高齢者活動センターで宿直していた尹(イン)さん夫婦は、建物の揺れを感じ目を覚ましたといいます。すると「ドーン」という大きな音が発生し、尹さんたちは飛び起き慌てて外に逃げ出しました。そこで尹さん夫婦が見たのは、建物が大きく傾き3m以上も地下に沈んだセンターの建物でした。

地元住民の話によると「建設当時、基礎工事を全くしていないのを見て、何度も意見したがダメだった。多くの村民は『川沿いにあるけど3階建てぐらいなら大丈夫』と思っていたようだ」と話しています。同村党支部書記の呉中申(ウー・ジョンシェン)氏も「基礎工事をやっていない。杭も打っていない。しかも川の側にあり、最近はずっと増水していた。地盤が緩んでいたようだ」と説明しています。

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午後に取り壊された高齢者活動センター

同市の大洋街道党工作委員会の金崇富(ジン・チョンフー)書記に取材したところ「この高齢者活動センターは建築許可申請を出しいない違法建築物。既に改善命令を出した」と述べました。そして、23日午後、地域住民の安全を守るため未使用の同センターは完全に取り壊されたとのことです。

ちなみに、この公共施設は建設費用は約80万元(約1300万円)で、高齢者協会が20万元、同村が一部分、残りはイチゴ組合が供出しています。村民によるとイチゴ組合の組合長は高齢者協会の会長をしているとのことです。着工は昨年10月で、センター自体は3階建て7部屋でした。

高齢者の公共施設が無許可の違法状態で建てられ、僅か1日足らずで壊されるというツッコミどころが多い展開になりました。何れにしても村がお金を出しているにも関わらず何故か建築申請は出されていないという点。察するに、安い土地を求め探し当てたところがこの川岸で、基礎がなかったというのはその分のお金を自身の懐に入れるためでしょう。建設費用は約80万元ということなんですが、建物を建てることではなく『金』が目的だったことは容易推測できます。

参考:Record China