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ロシアから先月打ち上げられたのは複数の生物を積んだ衛星です。宇宙空間における生物の影響を調べるため1ヶ月間宇宙空間で過ごさせ帰還させるという計画だったんですが、あまりにお粗末な結果になってしまいました。

ロシアが先月19日打ち上げたのは生物実験衛星ビオンM1です。ビオンM1にはネズミや魚、無脊椎動物まで複数の生き物が搭載されていました。これは、無重量や強い放射線といった宇宙空間特有の環境に対し、生物にどのような影響が調べることが目的とされていました。

5月19日、1ヶ月間宇宙空間で過ごしたカプセルがロシアのオレンブルク地域に着陸しました。その後の調査によると、入れられいた8匹のスナネズミと40匹の魚(ティラピアの一種)はすべて死亡。また45匹のハツカネズミは16匹しか生きていませんでした。また15匹のヤモリと20匹のカタツムリ、その他微生物は生き残ったものの、予想されていた死亡率5%を遥かに超える結果になってしまいました。

ビオンM1に搭載される様子


どうして動物達は死んでしまったのか。研究機関によると、スナネズミの死亡は装置の故障によって酸素や食料、光や換気が提供されなかったために起き、また魚が死亡した原因も水槽自体の故障によるものであると発表されました。

実験を主導したロシア生物医学問題研究所(IMBP)は今回のお粗末な結果について「長年に渡って、有人飛行を含む宇宙における生物実験の実績があるので、研究目的は達成できる。ミッションは成功と言える」と述べています。同ミッションは2016年まであと2回行われる予定です。

ビオンM1の打ち上げ


ビオンシリーズ

今回打ち上げられたビオンM1は1966年から続く生物実験の最新型です。過去のビオンミッションでは細菌から昆虫、魚類、そしてネズミやアカゲザルに至るまで実験に使用され、宇宙空間で生物がどのような影響を受けるかを調べられます。

ビオンMはシリーズでは初めて太陽電池パドルが搭載され長期間に渡る宇宙実験が可能になりました。これにより最大3週間程だった宇宙実験が最大6ヶ月と大幅に長くなりました。

ビオンMはユーリイ・ガガーリンが宇宙飛行に使用したヴォストーク宇宙船の派生型。打ち上げ時の質量は6,840kgでした。

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参考:sorae.jp