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旧ソ連の空母をウクライナ経由で購入した中国。2012年9月に改修を終え就役した同空母について工事に携わっていた工員ら15人が死亡していたと中国メディアが報じました。

中国青年網によると、「遼寧」のシステム主任設計師で中国船舶重工集団公司第701研究所高級工程師でもある王治国(ワン・ジーグオ)氏が述べたこととして、空母「遼寧」の改修工事に携わっていた工員など15人が死亡していたと明らかにしました。

王氏によると、改修の工期は当初から30カ月とされていたそうです。問題はそれだけではなく、冬になると低温になる地域で作業が行われたため「50年に一度というほどの厳しい寒さとなったことが影響して作業は難航した」と述べています。そのため作業に使えた日数は半分ほどしかなく、わずか15カ月で30カ月分の作業量を行う必要があったとのことです。王氏は「亡くなった同僚たちのことを思うと慚愧(ざんき)に堪えない」と話し、「彼らの犠牲は決して無駄ではない」としています。


2012年11月25日に行われた遼寧での離着艦訓練

この報道について、中国のネット上では「この犠牲は業績ばかりを重視して無理をさせた結果だ」、「工事が間に合わなければ、人員を増やすべきなのに、命を粗末にしている」など政府関係部門の責任を追及する声が少なからずあがっていたとのことです。

中国により再び空母として工事が進められた遼寧についてカナダの軍事誌・漢和ディフェンスレビューのアンドレイ・ピンコフ編集長によると、同艦は改修工事によって元の「ヴァリャーグ」とはまったく違ったものになっており、各国の軍関係者や専門家からも「中国による改修工事は尋常ではない」との証言を得ているといいます。

参考:Record China