M982 エクスカリバー

大口径の砲弾をピンポイントで目標に命中させることができるという、使う側としては夢のような『M982 エクスカリバー』。今回は3つの距離ごとに砲撃を行なっている動画を紹介します。

M982 エクスカリバーはアメリカ、及びイギリスの軍需企業が開発した新型砲弾です。この砲弾の最大の特徴はこれまで難しいとされた榴弾砲による精密な攻撃、所謂ピンポイント攻撃が可能になる点です。

砲弾内にGPSとIMU(慣性測定装置)が搭載されており、発射後安定翼、操舵翼が展開し目標に誘導されます。M982の有効射程は最大40km。命中精度は目標に対し10m以内とされ、2007年にイラクで使用された際は目標から4m以内の範囲に収まった率は92%とされています。


▲補足:M982を使用した砲撃。距離は12km、19.7km、30.1kmの3つ。

M982 エクスカリバー_1
▲エクスカリバーと打ち出す牽引式榴弾砲『M777』

撃ち出されたM982は目標上空で急降下し、垂直に近い角度で着弾します。このことから周囲をビルで囲まれたようなエリアであっても攻撃を行うことができ、また仮に目標より10度程度異なる角度で撃ち出されたとしても操舵翼により修正され、目標を攻撃することが可能とされています。

M982の1発あたりのコストは約54,000ドル(約540万円)になるとも言われ、従来型の砲弾の100倍近いコストであることから、「安価な砲弾を大量に打ち込んだ方が効果が高く、敵に与える心理的な面についても有効だ」という声もあるとのことです。