ローンチ・リング

先日、施設を振動させることで速度を得る『スリンガトロン』を紹介しました。実は同じアメリカで米軍が開発を進めているというロケットを使わない打ち上げシステムが存在するそうです。

円形の施設と1箇所の発射台。これは米空軍が研究を進めている(進めていた)ローンチ・リングと呼ばれる技術です。これは米軍と米ローンチ・ポイント社が共同開発をしているもので、電磁誘導により物体を加速し円を周回し秒速約10kmに加速したのちレール軌道を外れ発射されます。

具体的な性能は明らかになっていないものの、物体にかかる加速度は最大で2万G。米軍によると重さ10kg前後の小型衛星から水や固形の食べ物といったものを輸送することができるとしています。

ローンチ・リング構想
▲上からレール幅、全体図、打ち上げる物体

ちなみに1回あたりの打ち上げコストは1kgあたり745ドルほど。これは年間300回程度の打ち上げ回数でのコストで、仮に10倍の3,000回行えるのであれば1kgあたり189ドル程度に抑えられるとしています。ローンチ・ポイント社によると、直径20~50mのローンチ・リングを試作したうえで問題がなければ直径2kmの実用ローンチ・リングの開発に着手したいとしています。
しかし、これが報じられたのが7年前であることとその後の報道がなかったことを考えるとどうやら上手く行かなかった模様です。

ローンチ・リングの打ち上げ方法はスリンガトロン同様、マスドライバーの一種で月面といった大気が存在せずまた重力の弱い天体であれば非常に有効的な打ち上げ方法と考えられています。

参考:ログ速
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