オーストラリアの洪水

研究者は2010年から11年にかけ海水面が7mm低下していたことについて、その行方は実はオーストラリア大陸に原因があったと結論づけているそうです。

米大気研究センターのジョン・ファスーロ氏らの研究によると、2010年12月にオーストラリア全土が豪雨に見舞われたとき、オーストラリア大陸の広大な無河流域と内陸湖が雨水をすべて吸収し、世界全体の海面低下を招いたという研究結果を発表しました。

これは2010年に世界の海水面が7mm低下し、その後1年半にわたって予想を下回る水準だったことについて、この水がどこへ行ったのかについて研究したものです。

オーストラリアの洪水_1
▲同時期に発生したオーストラリアの洪水

論文を発表したファスーロ氏によると、地球上のほとんどの場所では、山間部で雨が降り、雨水は川に流れ込んで海に運ばれるものの、オーストラリアでは水のサイクルが異なるとしています。
オーストラリア大陸内陸部に広がる砂漠を中心とする広大な地帯に雨が振ると海に流れ込まず、雨水をすべて吸収。結果的に世界全体の海面低下を招いたとのことです。

ファスーロ氏は「大気条件と地形がこんな風に組み合わさっている大陸はほかにはない。これほど激しい熱帯降雨が、これほど広い範囲にもたらされ、その雨水が海に流れ込まないのはオーストラリアだけだ」と説明しています。

参考:WIRED.jp