タム山塊_1

日本から東に1000マイル。海底の底に眠っていたのはなんと太陽系最大級の火山でした。

地球最大の火山となるハワイのマウナ・ロアと比較した場合、新発見の火山のわずか2%程度の規模しかない。そんな火山がみつかったのは日本の沖合1600km。この火山を発見したのは米テキサスA&M大学のウィリアム・セーガー氏率いる研究チームです。

論文によると火山は『タム山塊』と言われており、今から約1億4400万年前の噴火で吹き出した溶岩が盾状に固まった巨大な丸いドームから構成されているといいます。
タム山塊で目を引くのはそのサイズです。面積は約31万平方キロ。なんと英国とアイルランドを合わせた面積に相当しています。海底から頂上までの高さは約3,500メートルなんですが、実際は地下約30kmもの深さまで広がっていることがわかりました。

▼タム山塊
タム山塊_2
「タム山塊は標高は高くはありませんが、恐ろしい程に広い面積を占めています。このため、山塊の斜面は非常になだらかで、実際にその場に立ったとしても斜面であることは気づかないでしょう」と説明するセーガー氏。
これまで複数の火山から構成されていると考えられたタム山塊は超巨大な単一の火山であることが分かり、他の太陽系惑星にある超巨大火山と同類の火山が地球上にも存在することが示唆されたとしています。

研究者はタム山塊が活火山である可能性は低いとみられており、同様の火山は地球上に複数個存在していると話しています。

▼オリンポス山(火星)
オリンポス山(火星)
 オリンポス山は火星に存在する太陽系最大の火山です。周囲の地表からは高さ約27,000m(火星平均では25,000m)で裾野の直径は550km以上。タム山塊はオリンポス山よりも25%ほど小さいサイズであることが分かっています。

参考:AFPBB News