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国内外の複数メディアによると、中国国内でも報じられている内容としてランヤへニパウイルスに感染し発症した人が山東省と河南省で35人確認されたとしています。(画像は資料)

これは中国とシンガポールの専門家チームが発見し米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJN)にリポートを発表したというウイルスです。

このウイルスについては2018年から発見されているらしいのですが、2022年8月時点で発症者の累計は35人です。一部メディアは「過去数週間で35人発症した」という内容も記載されているのですがこの表現がただしいのかは不明です。

What is this new Langya virus? Do we need to be worried?
https://theconversation.com/what-is-this-new-langya-virus-do-we-need-to-be-worried-188577
中国:山東・河南で新種ウイルス発見、35人感染 / 中国産業データ&レポート 亜州ビジネス
https://ashu-chinastatistics.com/news/906306-30050611090

名前の由来、宿主は

ランヤへニパウイルスの「ランヤ」とは秦代から唐代にかけて、現在の山東省東南部と江蘇省東北部にまたがる地域にあった琅邪郡の琅邪(ろうや、Langya)からとられた言葉です。その後の「ニパウイルス」とはコウモリ由来のウイルスで感染した場合致死率は40~70%とかなり高いもので、ランヤへニパウイルスはこれに属するというものになります。

研究チームはこのウイルスはトガリネズミから見つかったとしており、現時点で新型コロナウイルスのように人人感染は無いとしています。へニパウイルスについてはトガリネズミ、コウモリ、げっ歯類(ねずみ)等から見つかっておりこれも同様と考えられます。

また人と生活圏を共有するトガリネズミにおけるこの地域での抗体保有率は27%だったとしており、犬5%、ヤギ2%からも発見されたとしています。

症状は?

ヘニパウイルスは感染した場合の致死率がかなり高いものになているのですがランヤへニパウイルス
ではそうではないとしています。確認されている35人について症状は全員が発熱し2番目に多い症状は疲労感です。他にも咳、筋肉痛、吐き気、頭痛、嘔吐も感染症の症状として報告されておりインフルエンザや風邪のような症状に似ているとされています。

感染者のうち26人では54%が疲労感、50% 咳、46% 筋肉痛、38% 吐き気、35% 頭痛および嘔吐を訴えました。また13人は食欲不振、35%は血小板減少症 (血液中の血小板数が減少しすぎている状態) を発症。 半数以上が白血球減少症を発症し35%が肝機能障害、8%が腎機能障害を発症しているとのこと。

35人のうち死者は報告されていません。

感染ルートは

ランヤへニパウイルスがいったいどのように人に感染したのかは記載はなく不明です。

以下はヘニパウイルスにの情報としてはコウモリやブタなどの動物、汚染された食品を介して感染するものでヒトからヒトに感染する可能性があります。

特にへニパウイルスは1998年~99年の1年間にて主に養豚などに関わる265人が感染し105名の死亡者(致死率40%)しています。これに伴いマレーシアでは約110万頭のブタが殺処分(全国のブタの約45%)、1,800カ所以上の養豚場が閉鎖(養豚場の約48%)という打撃を受けました。

へニパウイルスは感染した場合致死的な急性脳炎、ブタでは呼吸器感染症となるもので豚に感染したものが人、犬、ネコに伝搬したと考えられています。(参考)