韓国半地下

先日韓国の首都圏を襲ったのは実に115年ぶりと言われている記録的豪雨です。まるで街が湖に沈んだような甚大な被害となり10日現在8名が死亡しました。実はそのうち4名がいわゆる半地下に暮らす住民でした。

韓国の複数メディアによると今回の被害を受けてソウル市は「地下および半地下を住居用として使用することを禁止する」という方針を示しました。ソウル首都圏では地下および半地下で暮らす住民が31万4000世帯あり、その世帯の98.4%がこの首都圏に集中しています。

ソウル市としては今後住居用としての地下・半地下の建築物は無くすとしており代わり公共賃貸住居を提供や住居バウチャー制度を提案する計画を明らかにしました。

なぜそのような規模の住民が地下・半地下に暮らしているのか。理由は単純で居住費が安いためです。そのため低所得者が多く2019年基準で地下住居賃借世帯の平均所得は187万ウォン(約19万1000円)となっています。

韓国洪水2022

特にソウル市では平地が少なく山や丘が多く斜面地となることもあり建物を立てる場合、地下という空間ができてしまいます。そのため一般的なマンションなどにも半地下などが作られる場合があり、これは建物オーナーが少しでも部屋数を作り利益を出したいという理由もあると言われています。

ただ31万4000世帯分の人をいったいどこに収容するのか具体的な政策が示されているのかは不明です。政府が提供する公共賃貸住宅については一定の条件かつ行政区域内で暮らす必要があり、結局家賃が高くなるとしています。

韓国洪水