055型駆逐艦_1

先日台湾を訪れたアメリカで序列3位となるペロシ議長。実はこの時中国の艦艇および軍用機が搭乗した機体を追跡したもののアメリカの電子妨害され追跡できなかったと報じられています。

香港紙サウスチャイナ・モーニングポスト(SCMP)が報じた内容として、今月2日、台湾へ向かったナンシー・ペロシ下院議長を載せた米空軍所属のボーイングC40に関して中国軍は殲16D(J-16D)電子戦機および055型駆逐艦を用いて追跡しようとしていたものの、アメリカ軍の電子戦機による妨害にで失敗したとする記事を掲載しました。

この追跡については艦艇は2019年に就役したばかりの最新鋭艦、055型駆逐艦が用いられたもののどうやら失敗した可能性があるとしています。

中国の軍事専門家によると「055型駆逐艦に搭載されたレーダーの探知範囲は500km以上といわれるものの、盛られたスペックで実用可能な距離はもっと短いだろう」と主張。「探知範囲が広かったことと、新型の055型駆逐艦に慣れていない乗組員のことを考慮すると、ペロシ議長の乗った飛行機の位置を特定できなかったのは考えられる」とも主張しています。

参考

電子戦機 EA-18G

EA-18G_1

電子戦機といえば少なくとも戦闘機のように表舞台にでることはめったにない機体ですが、実はそんな戦闘機の活動を支えているのはこの電子戦機。例えばアメリカ海軍の電子戦機EA-18Gは2人乗りですが、電子戦を行うための専門の教育を受けた高度な知識を持つプロが載っているといい、そのことからも例えばEA-18Gが墜落した場合はパイロットではなく、先に技術者を救助するとも例えられるくらいだといいます。

現代兵器はミサイルも追跡もありとあらゆる軍事活動がまずは目視ではなくレーダーを用いて実施されており、それが潰されてしまうと敵を察知できない、攻撃を察知できない、結果的に一方的に打ちのめされるということになります。

今回のケースではまず中国側が追跡できなかったというよりも、100%の能力で探知するようなことまずしません。これはアメリカに軍の性能や能力を渡すようなものになるため、ほどほどに行われたと見て良いと思われます。もちろん「探知できなかった」というフリをすることもできるので、いい感じところで追跡をやめればアメリカとの衝突も避けることができ一石二鳥ということになります。