月面着陸船 スケルトン_1

アメリカ及び西側の宇宙機関が行うとしている有人月面探査。その着陸船は民間企業、スペースXが開発するスターシップの月面着陸船が使われるのですが、有人ミッション前のデモ飛行計画が一部明らかになりました。

NASAの人間着陸システム (HLS) プログラムのマネージャーである Lisa Watson-Morgan 氏によると、スターシップの月面着陸船を用いた有人飛行について事前に着陸試験を実施するとしており、この飛行は無人デモ飛行となり月面に放置されるとしています。

NASA: SpaceX Only Has to Prove It Can Land Astronauts on Moon, Not Bring Them Home Again

具体的には、無人デモ飛行では高さ50mというアポロ計画の着陸船のそれとは桁違いに巨大な宇宙船を月面に垂直に着陸させます。このデモ着陸ではあくまで月軌道から着陸するまでの最も困難かつ危険性の高い飛行を試験するというもので、再離陸させる必要はないだろうというのが現在のNASAが判断しています。

これに関して、何らかのトラブルが発生した場合に『スペア的な宇宙船』としてそこに残すとしているのかは不明です。また食糧や現地の活動で必要な機器は一部載せて送られる可能性も高く、空っぽのまま着陸試験のために飛ばされるということも考えられません。

いずれにしてもこのスターシップをベースにしているスケルトンについてはスターシップの初号機すら打ち上げられおらず地球軌道にも当然達していません。近々試験が行われるとしているものの、失敗すれば数ヶ月から年単位で計画が遅れる可能性も高く、いつ行われるのかはブレ幅がまだ大きいと考えられます。