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無数に点在する銀河の中心にあるのは超大質量ブラックホールという特異な天体です。これに関して約11億光年先にある2つのブラックホールが3年以内に衝突・合体する可能性が示唆されています。

2015年以降、重力波を観測することができる新しい『宇宙重力波望遠鏡』という装置が実用化されています。これによりブラックホールなどの衝突による発生する空間の歪みのような重力波の変化を明確に捉えることができました。

A Pair of Supermassive Black Holes Could Be Fated to Collide Within 3 Years : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/a-pair-of-supermassive-black-holes-could-be-fated-to-collide-within-3-years

ではもっと巨大なブラックホールが衝突したらどうなるのか。その中で最も注目されているのは地球から見て『うしかい座』の方角、11億光年先にあるSDSS J1430+2303という銀河です。その中心には見出しでも紹介したように太陽質量2億光年分相当の2つの超大質量ブラックホールが接近して周回しているとされ衝突は差し迫った状態にあるとされています。

▼太陽質量数百万個~数十億個程度の連星ブラックホールのシミュレーション。約1万個のCPUコアで46日間の計算から得たとする動画


実は人類は銀河の中心にあるような超大質量ブラックホールが一体どのように巨大化したのかは計算から推定はできても直接観測することはかなり難しいものになっています。つまりこの衝突を光学望遠鏡や重力波からデータを収集することでどのように巨大化するのか、推定値とどれだけかけ離れているのか一つの答えを発見しようとしています。

ちなみJ1430+2303は予想ではブラックホールの連星(2つの天体が周囲をぐるぐるを回転する天体)なのかは明確には分かっていません。これまでの観測からX線光の変動などを確認しており、推定として連星であることはほぼ確実ではないかという表現になっているとのことです。