AGM-88_1


ここ最近、ウクライナ軍が敵のレーダー施設を破壊するアメリカ製の対レーダーミサイルAGM-88が使用されていると確実視されていたのですが、先日公式に使用している映像が確認されました。

ウクライナ軍の空軍司令部の公式Twitterで公開したのはウクライナ空軍が運用する旧ソ連時代に開発されたMiG-29からアメリカ製のAGM-88 対レーダーミサイルを発射するという映像です。

見出しでも紹介していたように8月以降、ウクライナ軍がアメリカ製のミサイルを使用していると噂され、残骸からAGM-88が運用してたことはほぼ確実視されていました。



しかし、軍事に詳しい方ではいくつかの疑問点が出ていました。それは「旧ソ連機がアメリカ製のミサイルを運用できるのか」という疑問です。言い換えれば全く互換性のない古いアンドロイドアプリをiPhoneで使うようなもので「無理なのではないか?」と噂されていました。

そのため地上から発射している可能性があるなどとも予想されていたのですが、今回の映像から間違いなくMiG-29からこのミサイルを運用していることが確定となりました。

AGM-88 対レーダーミサイル

AGM-88

対レーダーミサイルは空対地ミサイルの一つで、その誘導方法は敵が索敵に使用するレーダー、つまり空港でクルクル回転しているようなレーダーから戦闘機目掛けミサイルを発射・誘導するのに使用するレーダーに反応して誘導・撃破するというものです。

そのため敵側はレーダーを切ればミサイルが誘導されず外れることになるのですが最近のものは座標を覚える機能が備わっており、移動することができない地上施設のレーダーなどは止めたとしてもミサイルが突っ込んでくる性能があります。

対レーダーミサイルはアメリカではAGM-88が主流でロシアや中国などでも同様のミサイルは開発・運用されています。AGM-88では1発あたり数千万円すると言われており費用対効果の面からも導入数は限定されているものと考えられます。