テンペスト(戦闘機)

日本の国内メディアによると導入を目指す次期戦闘機について、アメリカではなく初めてイギリスと共同開発することで調整を進めていると報じられています。イギリスはテンペストというF-22やF-35を超える新世代戦闘機を提唱しており、事実上これに日本が参画することになります。

航空自衛隊の次期戦闘機をめぐり、防衛省は開発費の抑制などのため、エンジンの共同研究を行っているイギリスと共通の機体を開発する方向で調整を進めています。

航空自衛隊のF2戦闘機の後継となる次期戦闘機をめぐっては、ことし1月から日本とイギリスの大手企業がエンジンの共同研究を始めていて、5月の日英首脳会談では開発に関する両国間の協力の全体像をことしの年末までに合意することで一致しました。

NHK
現時点でイギリスが主導するテンペストに正式に参画するというまでにはなっていないのですが、報道を見る限りではほぼ決定です。これは過去の発表や日本が目指す戦闘機像が実はテンペストと非常に近く、開発次期や機体開発の柔軟性などほぼほぼ合致しているためです。

このテンペストはイギリスでは2015年に開始されてとされ、現在国内に配備している欧州機となるユーロファイター・タイフーンの後継機として2035年頃もしくはそれ以降に配備を目指します。

▼2022年7月に公開されたテンペスト
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テンペスト最大の特徴は第6世代機です。これは第5世代機のF-22やF-35といった機体を凌駕するものであり、ディープラーニング人工知能、無人飛行能力、群集ドローン(ロイヤルウィングマンという無人機)、指向性エネルギー兵器、ヘルメットの仮想コックピット、極超音速兵器の運用など次世代の技術が盛り込まれています。
そのため膨大なエネルギーを機体に供給するシステムが必須となるのですが、構想ではユーロファイター・タイフーンの実に10倍の電力を供給できるシステムを開発しています。

▼CGなどは初期構想


▼F3のレンダリング、機体形状がどことなくテンペストに似ていた
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イギリスは以前から日本の参画を求めていたところであり、2017年には既に接触していました。ただ当時はアメリカ側との兼ね合いもありF-3とする機体形状も様々変化していきました。特に近年はほぼイギリス側と共同開発するという内容のみ伝えられていました。

テンペストは2022年7月時点の発表では5年以内に試作機を作り飛行させるとしており、イギリスの軍需大手BEAシステムズで既に開発が始まっていると説明しています。同機はイギリスのBAE、ロールスロイスそしてミサイルで知られるMBDA、イタリアも参画しておりレオナルドの名前もでています。また戦闘機を独自開発できる技術力のあるスウェーデンも参画するという内容があり既にサーブ社の名前もでています。

一方で機体については防衛省によると「仕様を少し変えつつも基本的には同じ戦闘機を調達することをメインシナリオとして検討している」としており、日本の国土や運用に合わせた仕様が一部盛り込まれると考えられます。