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水害は人命・財産に多大な影響を発生させるのですが、これを人工的に抑制できるのはダムです。パキスタンではインダス川上流に巨大なディアマーバシャダムを建設しようとしているもの集めれた基金よりも基金を集めるための広告費のほうが高くなっているというわけがわからない状態になっていると報じられています。

記事によると問題のダムは1980年代に構想が始まったもので、このダムを建設することで原発数十基分の5000メガワット近い電力を生産でき、10立法kmという広大な水を様々な目的で使えると想定されました。

Pakistanis Donated $40M to Build a Dam. Their Government Spent $63M On Its Ads.

当然この巨大なダムは作るにも莫大なお金が必要になります。当然このような事業に目をつけるのは中国。パキスタンの友好国でもある中国が2017年に「俺たちが作ってやるから」などと提案してきたといいます。中国の試算でもこのダムを建設するには日本円で2兆円というヤバイ額を提示してきたといいます。
この額はパキスタンが想定している額よりも低い可能性があるのですが、当時のパキスタン大統領は結局中国の提案を拒否しました。

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一方でパキスタンではこの超大型事業に向けて国内でどうにかしようということで動き出しており、2018年には最高裁判所が「国土が水不足だろ?国はダムをつくれよ」などというよくわからない判決がでてしまいます。
その判決を出した最高裁判長が約60万円を寄付し基金を設け以降宣伝などを繰り返し国民から寄付金を募ることとなりました。結果どうなったのか。

ダムの建設に向けてパキスタン国内ではゴリ押しのように毎日のように「基金ができた!みんな寄付しよう!!」などと宣伝。公務員の給料の一部が寄付にまわされるなど強制的な徴収も行われたことで6億円ほどはあつめることができました。2019年に入るとゴリ押し広告で56億円ほど寄付が集まったもののダム建設の約9000億円近い額には遠く届きませんでした。

そして最近、このダムを建設するために浪費された各種宣伝費を集計した結果、なんと78億円という寄付金以上の額を使っていた問題が発覚してしまいます。

ちなみにこの基金の会長というか設立者は最高裁判長となっていらしいのですが「ダム建設に向けた資金調達は、ダムを作るためではなく私達の意識を高めることだ!!」などと意味不明なことを言い出したことで批判を集める結果にもなったとしています。