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高齢者、場合によっては中年であっても患うことがある認知症。いったい何が原因で発症するのかがよくわかっていません。しかし最近多く報告されているのは口の中の歯周病菌が関係しているという内容です。

イギリスのセントラル・ランカシャー大学歯学部の同じ研究グループによる2つの研究論文によると、口の中の歯周病と脳機能の低下との間のより強い関連性が見られるとする内容を発表しました。この研究ではポルフィロモナス・ジンジバリス菌という歯肉を破壊する歯周病菌と、これが生み出す酵素『ジンジパイン』が脳内のタンパク質『タウ』との関係性が見られたというものです。

■Stronger Connections Between Gum Disease and Alzheimer’s Disease Discovered - Neuroscience News
https://neurosciencenews.com/alzheimers-gum-disease-21475/

■Porphyromonas gingivalis Conditioned Medium Induces Amyloidogenic Processing of the Amyloid-β Protein Precursor upon in vitro Infection of SH-SY5Y Cells - IOS Press
https://content.iospress.com/articles/journal-of-alzheimers-disease-reports/adr220029

▼歯肉を破壊するポルフィロモナス・ジンジバリス
ポルフィロモナス・ジンジバリス
研究によると、私達の脳内の神経細胞にはタウと呼ばれるタンパク質の一種があるのですが、このタウタンパク質に歯周病菌が作ったジンジパイン酵素が接触すると神経細胞からタウが放出されるといいます。しかしこのタウは物理的な変化をおこし、コイルと非コイル状のフィラメントに変形。これらのタウのフィラメントが神経細胞に再付着すると神経原線維変化として知られる病変となり、最終的に神経細胞を殺し進行するとアルツハイマー病になるというもののようです。

翻訳上の誤りがある可能性があるのですが、いずれにしても歯周病菌であるポルフィロモナス・ジンジバリス菌が出す酵素『ジンジパイン』が問題になっている可能性があるというものです。論文では死んだ細胞から剥がれた問題のタウタンパク質が隣接する神経細胞に再付着するといい、破壊と分離を繰り返すことで症状が進行していくとしています。

もう一つよく聞くアミロイドβというものがあるのですが、もう一つの研究ではジンジパイン酵素がアミロイド β プラークの形成にどのように寄与しているのか調べているというもので、具体的な記載がなく詳細は不明です。

これまで「歯を失うと認知症リスクが高まる」という話しは知られているのですが、実際は歯を失う歯周病菌がアルツハイマー病と歯を失う原因の両方を作っていた可能性が考えられます。いずれにしても歯周病菌は歯肉を破壊するとう時点で私達にとっては極めて有害な菌であり、歯や脳以外も体内の様々な病気の原因にもなっているとされており、百害あって一利なしということになりそうです。

このジンジパイン酵素とアルツハイマー病の関係についてはアメリカでも報告されており、今回の研究でもほぼ間違いないような内容となっています。