火星 隕石 氷

NASAによると2021年12月に火星の地表に落下した隕石のクレーターを探し出し調査したところ、その周囲に水の氷が周囲に飛び散た痕跡を確認したと報じています。この氷は火星の地下に埋まっていたものが地表に飛び出た形になります。

NASAによると10月27日、ブラウン大学の惑星科学者であるIngrid Daubar氏が発表した調査結果として、 2021年12月24日に何らかの火星に隕石が衝突し、その地震波を火星探査機であるInsightが観測しました。

NASA's ailing Mars lander feels shockwaves from ice-blasting impact | Space

Insightには火星の地下を観測するため地震波を測定する専門の装置が複数搭載されており、着陸以降2021年上半期まで合計4回の隕石衝突いによる地震波を観測しました。その中でも最大となったのは 2021年12月24日のもので、地震の規模はマグニチュード4。これほどの規模の落下があるのは例えば地球では十数年、100年に1回くらいの頻度で非常にまれなことが偶然発生していたとのこと。

問題はこの隕石衝突です。観測結果から幅130mのクレーターが形成された可能性があるとして、火星軌道を周回するNASA のマーズ リコネサンス オービター (MRO)で観測を開始しました。その結果、驚きのものが映し出されていました。

衝突前後

氷出現

MROが発見撮影したデータを分析した結果、クレーターの周囲には30kmにわたり土壌が飛び散るなどの細かい破片が飛び散っていました。クレーターも150mサイズで、ここから逆算した結果、衝突した隕石は幅が5~12mあったのではないかと主張しています。

火星 隕石 氷_1

そして、形成されたクレーターの周囲に「大量の水の氷が飛び出たことが高解像度画像ではっきり確認できた」と説明しています。

今までの研究成果から火星の地表には水の氷があることは示唆されていたのですが、今回のクレーターは赤道に最も近く温かい場所だったという点。研究者もこの地域でこれほどの氷は見たことはないといい、研究者はらはこの氷がどのように消え大気に蒸発していくのか調査しているとのこと。