image_35

海外メディアによると、2022年10月に販売したばかりのPC向けGPU、NVIDIA RTX 4090シリーズで発火事例が相次ぎ発売後から少なくとも12件が報告されています。

日本では2022年10月12日に販売が開始されたのはゲーミングPC、クリエイター系PCで使用するGPUというハードウェア。その最新かつ最高性能の製品として販売されたのは日本では30万円という価格となったRTX4090です。

このRTX4090の消費電力はこのハードウェア単体でTGP(グラフィックスの最大消費電力を表す仕様値)は450Wというモンスター級となりました。この電力を供給するためGPUには従来の8ピン端子3つを刺す使用から新しい規格を投入。『12VHPWRコネクタ』などと呼ばれるもので小さい12ピンで最大600Wまで供給できる仕様としました。

今回発火が相次いでいるのはこの『12VHPWRコネクタ』です。具体的にどちらに問題があるのかはよくわかっていなのですが、RTX4090には従来の8ピン端子を4つ繋げて12VHPWRコネクタに接続する『変換ケーブル』が付属しており、この変換ケーブルとGPU側の12VHPWRコネクタ間で発火が相次いでいます。

現時点で発火が確認されているのはRTX4090のチップを搭載したオリジナルGPUです。
  • ASUS TUF Gaming GeForce RTX 4090 OC Edition
  • Gigabyte GeForce RTX 4090 GAMING OC 24G
  • GALAX GeForce RTX 4090 SG
  • MSI GeForce RTX 4090 SUPRIM X 24G
  • MSI GeForce RTX 4090 SUPRIM LIQUID X 24G
  • MSI GeForce RTX 4090 GAMING X TRIO 24G
海外メディアによると原因についてはNVIDIAが同梱した8ピンから12VHPWRコネクタの変換ケーブルに原因があるとしています。

image_33

image_34

こちらが実際に問題が発生した変換ケーブルです。このように端子が溶けており、他の事例でも同様にどこかの端子が溶けています。

そもそもこのRTX4090は非常に巨大でPCがケースに納めると横に飛び出した変換ケーブルがPCケース側面が干渉します。変換ケーブルも固く柔軟性がないためケースに押される形で変換ケーブルが歪み端子に負荷がかかることで折れたりして発火するものと考えられています。
12VHPWRコネクタはメーカー側も「弱い」と認識しており、12VHPWRコネクタの取り外しを何回も繰り返すとこのような問題が発生するとまで事前に発表されていました。具体的には「30回抜き刺すると寿命がくる」とまで発表していたところもあります。

要するに耐久性の面で問題があることを認識をしていたにも関わらず販売した結果、発火事案に繋がりました。ただ、今回の問題は太くて硬い変換ケーブルを使用した場合に多くみられるという印象を受けます。つまり製品GPU本体ではなくあくまで変換ケーブルもしくは12VHPWRの構造そのものに原因があるというものです。

発火についてはメーカーが側も問題を認識しており、今後リコールに発展するのか。いずれにしてもこの変換ケーブルの使用は推奨されないことは間違いなく、特に変換ケーブルについては回収されたり再設計されたものが配布される可能性があります。