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海外のメディアによると、先月21日オーストラリア連邦警察はアメリカ人でもと海兵隊で空母(強襲揚陸艦)から発艦する飛行パイロットが中国に雇われその飛行技術などを渡した可能性があるとして逮捕されたと報じられています。

記事によると逮捕されたのは元米海兵隊のAV-8Bハリアー IIのパイロットとして高度な訓練を受けた人物が中国の人民解放軍に対して雇われ飛行訓練を指導するようなことを行っていたとしてFBIはダニエル・エドマンド・ダガンに対して仮逮捕の要請を出し、オーストラリアで逮捕されたとしています。
このダガンという人物は米豪間の協定により60日以内にアメリカに引き渡されます。

Ex-Marine Corps Harrier Pilot Who Worked In China Has Been Arrested

ダガンはオーストラリアで「トップガンオーストラリア」という会社を経営しており、本人は12年以上の経験がある元米国海兵隊将校で、クウェートでUSS ボクサー(強襲揚陸艦)からサザン ウォッチ作戦を支援する任務に就いたなどと経歴が紹介されていたとのこと。また「高度な訓練を受けた戦闘機パイロットとして、世界中の空母からハリアー ジャンプ ジェットを飛ばしました」とウェブサイトに記載されていたといいます。

▼AV-8Bハリアー II
ハリアーII

これに関しては公式なデータとして1989年から2002年まで海兵隊で活動。AV-8B ハリアーのパイロットで上級戦術教官を努め、7隻の異なる空母に合計で数百回の着陸を行ったとしています。

問題なのはこの人間が中国、つまり中国共産党の人民解放軍に雇われ飛行技術など各種軍事情報を中国側に漏らした可能性があるというものです。オーストラリアでは2022年10月頃より「中国が飛行訓練のため西側の元軍人を探し回っている」という情報が入り、国に調査に乗り出していました。
またイギリスも10月に中国が元・現役英国空軍パイロットに接触し雇うという活動があると公式に発表しており仮に発覚した場合は断固たる措置をとると述べています。ただこれに関しては既に30人以上のイギリス人が中国に雇われているという話もはいっており中国の一連の活動はほぼ間違いないと考えられます。

中国の軍事技術を盗み取ろうという動きについては他にもフランス、カナダ、オーストラリアでも確認されています。フランスでは元海軍パイロットが中国人に求婚されたという報告があります。この中国人女については元軍人は「トラブルに巻き込まれたくなかったので最終的には申し出を断った。中国は我々の味方ではない、倫理的な理由もある」と説明しており、ほぼ事実と考えらます。



いずれにしても中国が敵国と見ている西側諸国に手を出し技術を得ようとする行為についてはアレなのですが、いずれも海軍・海兵隊のパイロットに接触しているという印象を受け、これは中国の空母技術に関連する行動であると考えられます。