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アメリカで開発が続けられている民間企業による地球低軌道への有人打ち上げ。既に行われているスペースXのクルードラゴンとこのボーイングのスターライナーがあるのですが、ボーイングについては技術的な問題があるとして有人打ち上げは2ヶ月延期された2023年4月以降となっています。

アメリカでは地球低軌道、つまり国際宇宙ステーションなど地球周辺軌道への人員輸送はNASAではなく民間企業の宇宙船と契約してお金を払う形で輸送してもらうということを行っています。このプログラムのもとNSASつまり事実上のアメリカ政府が契約しているのは、現在世界最大のロケットを運用しているスペースXとスペースシャトルを開発した航空宇宙大手のボーイングです。

ただ現在の開発をみるとスペースXに比べてボーイングは遅れに遅れています。スターライナーは過去に3度無人機を打ち上げ最後の軌道飛行試験は当初「2020年11月までに打ち上げる」としたものの、問題がみつかるなどして2022年5月に打ち上げされています。

▼Atlas Vの上段に取り付けたスターライナー
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そして今後控えるのは有人打ち上げです。これは最終飛行試験で実際に2名の乗員を載せ国際宇宙ステーションに打ち上げます。つまりスターライナーの最終運用試験になります。

2ヶ月延期された2023年4月に再設定された有人打ち上げについては技術的な問題が相次いでいることと、特にパラシュートについて新たな懸念があるという理由があるいいこれは潜在的に乗員の生命が危険さらされることを意味しているといいます。

ボーイングは2022年10月26 日の四半期決算の一環としてスターライナーの遅延による収益に対して1億9,500万ドルの追加費用を請求しており、同社が記録した損失総額は8億8,300万ドルになると発表しています。

ちなみにNASAとの契約おける有人打ち上げ価格はスペースXのクルードラゴンは1座席につき6,000 万から 6,700 万ドルです。比較として2014年におけるソユーズロケットによるNASAの宇宙飛行士打ち上げは1座席あたり7,600万ドルとなっており以降も上昇し続けていました。