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日々、大小何らかの天体が地球に落下しているのですが、これら大半は太陽系内にある岩石といった物質です。では太陽系外から落下するものはあるのか。実はその隕石が2014年に観測されたものが初めて太陽系外の隕石であることで間違いないと判断されました。

『CNEOS 2014-01-08』という隕石が今回のテーマです。この隕石は 2014年にパプアニューギニア沖に落下したと考えられる隕石で当初から恒星間天体、つまり太陽系外の隕石の可能性が高いと指摘されていました。

Confirmed! A 2014 meteor is Earth's 1st known interstellar visitor | Space

なぜ見ても触っていもいない隕石が太陽系外隕石だ!といえるのか。この物体は直径90センチと考えられるサイズで落下時点の速度は134,200 mph (216,000 km/h) という極めて高速で地球に落下してきました。つまりずば抜けて速く落下した角度から導き出すと少なくとも太陽系内をぐるぐる周回できない速度ということになります。

実はこの隕石、観測したのはNASAの天体観測網ではなく米国国防総省の軍事衛星です。そのため詳細は機密となっているのですが、「NASA​​ に報告された速度推定値によると星間軌道(太陽系外)を示すのに十分正確であることを確認した」としており既に間違いないということになっていました。
ちなみに2017年にも別の星間軌道を描いた天体が地球に落下しておりこちらも有力視されている隕石です。

回収できれば…

人類は少なくとも太陽系外の物質を手にしていません。回収できれば天文学に多大な影響、場合によっては生命が他の天体でも生まれるのかという推測もできる大変貴重なサンプルになります。回収することはできるのか。CNEOS 2014-01-08はパプアニューギニア近くの海上で爆発したと考えられておりその破片が今も海に存在している可能性はゼロではありません。具体的には縦横10kmの範囲にまで落下地点が絞られているとされ、さらに隕石は磁気を帯びている可能性もあるため現在の観測技術があればある程度の確率発見できるのではないかともいわれています。

研究者によると恒星間天体の地球への落下はこれまで観測されていなかっただけで10年に1回くらいの間隔で発生している可能性があると指摘しています。