SA-5

韓国メディアによると2日に発射され南北の韓国側の海上に着弾したミサイルに関して回収に成功したと発表しました。このミサイルは当初伝えられられていた弾道ミサイルではなくただの地対空ミサイルであることがわかりました。

このミサイルは2022年11月2日、1日に29発あまりのミサイルを発射し、南北分断後初めて南側の海域にミサイルが着弾したなどとニュースになっていたものになると考えられるのですが、韓国側はこのミサイルを分析するため回収作業を行い水深1700mからの引き上げに成功しました。

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結果、このミサイルは旧ソ連製のS-200「アンガラ」、NATOネームSA-5ガモンというソ連製の長距離地対空ミサイルであることが判明しました。地対空とはその文字通り地上から空中目標を迎撃するミサイルです。



北朝鮮が2日に発射したミサイルは戦術弾道ミサイル×4、地対空ミサイル×23、戦略巡航ミサイル×2という構成だったとしておりその一つがSA-5です。

韓国政府によるとこのミサイルは最高高度約100kmで190kmほど飛翔し韓国北東部の陸から57kmの海上に落下していました。海軍が引き上げたのは6日。分析した結果、ミサイルの種類はSA-5と判明したしたとしてます。
そのうえであくまで韓国側の判断として北朝鮮が意図的に韓国側の海域に落下させたとみています。理由としては発射後進路を変えるなど巡航ミサイルのように方向を変えることができないため韓国側に発射する目的があったとしています。

別の根拠として地対空として発射した場合、北朝鮮の追跡レーダーが作動しミサイルと交信する信号が出ます。しかし、今回はそれが観測されませんでした。仮に交信が途絶した場合は一定距離で自爆することが普通であり今回は一切自爆しなかったことからも意図的に韓国側に発射したと主張しています。

SA-5_1

SA-5、もちろん核も搭載できます

1960年代に開発された旧ソ連製のSA-5ですが実は核も搭載できます。そしてSA-5は対空ミサイルとしてだけではなく、対地ミサイルとしても運用できるもので今回対地ミサイルとして韓国側の打ち込まれた可能性が示唆されています。

仮に対地攻撃として発射された場合SA-5の最大射程は最大飛翔距離は300km程度になると予想されます。もちろん改良されていない限り現代の精密誘導などが行えるものではないと考えられ命中精度はほぼ無誘導か1960年代レベルになると思われます。そして弾頭には核も搭載できるとしているのですが、これについては詳細不明です。仮に搭載できたとしても重量100kg単位の戦術核です。

今回回収されたミサイルがいつ生産されたものかはよくわかっていません。いずれにしてもこのミサイルにはロシア語が記載されていたといい、ロシアから直接輸入されたもので間違いありません。つまり北朝鮮のロケット技術はこのような旧ソ連から発展した可能性も示唆されています。