SLSブースター

遅れに遅れいったい何年遅れたのか記憶が曖昧になるレベルのNASAの次世代ロケットスペースローンチシステムもとSLS。これに関してロケット側面にあるブースターの使用期限が来月に迫っており、来月中に打ち上げできなければ大変なことになると報じられてます。

アメリカ東部時間11月16日に設定されているのはNASAの新型ロケットSLSの打ち上げです。このロケットは主に月周回軌道へ宇宙船や小型宇宙ステーションを打ち上げるという目的で運用を考えられています。

NASA's Artemis 1 moon rocket boosters could expire in December | Space

しかしこのロケットに搭載されている両側の補助ロケット、使用期限が2022年12月9日と14日に切れるとしており仮に16日の打ち上げができない場合はいよいよこの期限が迫ってくるとしています。

補助ロケットは当時のオービタルATK、現在のノースロップ・グラマン・イノベーション・システムズ(Northrop Grumman Innovation Systems)がスペースシャトルの補助ロケットと延長する形で開発したものです。

仮に12月9日までに打ち上げできなかったらどうなるのか。記事によると「ミッションチームはロケットのさまざまなコンポーネントの有効期限を延長できるかどうかを判断するためにさらに分析を行う必要がある」としています。
更に別の環境曝露評価が12月15日に失効するとしておりこの調査にまた数ヶ月の打ち上げ延期となるという延期が延期を生むという悪循環に入ります。

▼打ち上げのCGイメージ
SLS

このSLSについてはいつ製造がはじまったのか。ロケット本体のコアステージの開発が始まったのは2014年です。当初このSLSは2016年後半に無人打ち上げを予定していたものの現在も打ち上げられていません。その後、延期・延期・延期・延期…と合計26回ほど繰り返し6年間過ごしてきました。

この間、宇宙政策が変わるなど混乱もありました。今後SLSはこの初号機の打ち上げ後、次の打ち上げはさらに2年後の2024年5月です。さらにその後は年に1回レベルの打ち上げ回数となっており2025年には月面着陸を行う計画となっています。