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解熱鎮痛薬として日本でも服用され、特に欧米では多用されている鎮痛薬について、あくまで研究室内での実験として危険な行動、要するにリスクのある行動に出やすい可能性がある結果が得られたとしています。

日本でもパラセタモールとしても知られ、タイレノールやパナドールのブランド名で広く販売されているセタミノフェン、アセトアミノフェンといった鎮痛剤に関してオハイオ州立大学の神経科学者が行った研究として服用することでリスク認識の低下とリスクテイクが増加する傾向があると発表しました。

The Most Common Pain Relief Drug in The World Induces Risky Behavior, Study Shows : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/the-most-common-pain-relief-drug-in-the-world-induces-risky-behavior-study-shows
Effects of acetaminophen on risk taking | Social Cognitive and Affective Neuroscience | Oxford Academic
https://academic.oup.com/scan/article/15/7/725/5897711?login=false

このアセトアミノフェンについてはアメリカで最も一般的な医薬品成分で実に600以上もの市販薬や処方薬に含まれており、米国の人口の約25%は毎週、なんらかのアセトアミノフェンを服用しているとしています。

アセトアミノフェンについては近年、人の意識に影響を与える可能性が示されていたらしく、今回の研究では500人以上の大学生が参加した一連の実験を行い、参加者に無作為に割り当てられたアセトアミノフェン 1,000 mg の単回投与 (推奨される成人の最大単回投与量) と、プラセボ(要するに見た目などが全く同じで成分は無害な薬)を投与し行動にどのように影響するかを測定しました。

内容としては単純なもので、コンピュータ上で風船を膨らませるというものです。更にできるだけ大きく膨らませることができればより沢山の架空のお金がもらえるとし、破裂すればノーマネーです。

結果、アセトアミノフェンを服用させたグループは偽薬を耐えられたグループよりも多く風船を割ってしまったとしています。つまりリスクをとる選択を取ったということになります。
他にも『スポーツ イベントに1日の収入を賭ける』『高い橋からバンジー ジャンプする』『車を運転する』など架空のシナリオでリスクを評価したところやはりリスクを取る傾向があったとしています。

原因は不明

アセトアミノフェンなど鎮痛薬に関してなぜ人の意識を変えてしまうのかについて生物学的メカニズムはよくわかっていません。

今回の研究はあくまで都市伝説のように言われている鎮痛薬が本当に人の意識に影響を与えるのか調査しただけであり医学的なものにはなっていないと考えられます。

一方でアメリカなど欧米では新型コロナウイルスの薬としても『主要』といして推奨されているとのこと。この薬についてはリスクを改めて調査する必要があると主張しています。

*抄訳したものを掲載しています。医学的な内容につきましては必ず医師の説明を受けてください。