image_96

人前で失敗してしまった…10年以上前の出来事を鮮明に思い出しまた恥ずかしくなるというのは誰しもあると思うのですが、なぜ私たちはその記憶を思い出し今も恥ずかしくなるのでしょうか。ちなみにこの思い出を改善するような案も一応提示されています。

ディーキン大学 上級講師兼臨床心理士デビット・ホールフォード博士は今回テーマとなる昔の恥ずかしい思い出を思い出しまた恥ずかしくなる理由とそれを改善する方法を紹介しています。

Why Embarrassing Memories Can Trigger Feelings of Shame All Over Again : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/why-embarrassing-memories-can-trigger-feelings-of-shame-all-over-again

まず人が思い出を思い出すのは『意図的で自発的』なものがあります。これは「あれ昨日なにしたかな?」と思い出しその時に「あー、そうそうアレを食べたな」というものです。これには思い出すまで時間がかかります。
もう一つは意図せずその記憶が『パッ』とでてくるものです。こちらは意図しない時に出てくる特徴があります。

多くの恥ずかし思い出は後者の『パッ』と出てくる記憶です。フラッシュバックみたいな表現が適切だと思うのですが、この場合、記憶の活性化は環境からの外部刺激つまり視覚、音、味、匂いの他にも内部刺激つまり思考、感情、身体感覚)によって引き起こされる可能性があると指摘しています。
例としてパン屋で恥ずかし思い出をしたとして家でパンを焼いている時に匂いなどでその時の記憶が関連付けられてパッっと思い出すというもので、パン以外でもパンをみただけでとかあまり関連付けれていないことでも記憶が蘇ることがあるとのこと。

そしていい思い出よりも失敗したなど恥ずかしい記憶が鮮明なのはネガティブな記憶はポジティブな記憶よりも感情的なトーンが強い傾向があるためだと指摘しています。結果的に無意識に思い出す記憶は私たちをひどく悲しくさせ、不安にさせ、恥の記憶とし蘇るとのこと。

恥ずかしくならないようにするには

私達は繰り返し思い出すことで「再固定化」というものが始まるのですがそこに記憶とは異なり、感情的なトーンを加えることができるといいます。つまり記憶による感情を改変することができるといものです。

例えば面接に答えられず失敗してしまったとして、面接のたびに思い出し恥ずかしくなる感情できます。ではその答えられなかった質問以外はどうだったのか。きっと練習した成果がでていたはずです。つまり失敗した記憶ではなく、うまくいった記憶を合わせて思い出すことで改善できるという趣旨が記載されています。

研究者は「私たちの脳は経験を思い出させることはほとんどなく、過去にとらわれる必要はないことを覚えておいてください」と指摘しています。

*抄訳したものを掲載しています