image_109

最近流行っている糖質制限ダイエット。文字通り糖質摂取抑えることで体重を減らしたり、糖尿病予備群であれば防ごうという案なのですが、アメリカ心臓協会が行った研究ではやり方を間違うと糖尿病リスクが増加する可能性があることがわかりました。

最近、シカゴで開催されたアメリカ心臓協会の科学セッション会議で発表されたのは糖質制限による糖尿病発生リスクです。この研究はャーナルに掲載されるまでは予備的な物となっているのですが、糖尿病患者ではない普通の人が糖質制限で糖尿病リスクを下げるには食べるものに注意を払う必要があるとしています。

糖質制限は非常に低炭水化物の食事から糖尿病予備軍または 2型糖尿病の人の血糖値を改善する可能性があることが示唆されているものの、食事で消費される炭水化物の量はさまざまであり、満腹感を獲る理由や糖質が含まれていないとして『脂肪』を食べることが重点に置かれていることがあります。この食事がコレステロール値や例えば心臓の健康にどのように影響するかについての懸念が生じているといいます。

Some Reduced-Carb Diets May Decrease Diabetes Risk, but Others May Raise It - Neuroscience News
https://neurosciencenews.com/low-carb-diet-diabetes-21877/

今回行った研究はいずれも欧米人20万人の医師・看護師のデータを1984年から2017年まで集め、4 年ごとに自分が食べている食品についてアンケートを実施しました。この中に糖尿病患者は含まれていません。

この20万人を炭水化物の摂取量から5つのグループに分けました。炭水化物が最も少ないグループは、毎日のエネルギーの約40%を炭水化物から摂取していました。アメリカの食事ガイドライン炭水化物がエネルギー摂取量の45%~65%です。

それぞれのグループで人々が食べた食品は18 のグループに部類。デザート、動物性脂肪、乳製品、卵、魚介類、肉、その他の動物性食品です。

結果、植物ベースのソースからより多くのタンパク質と脂肪を摂取した最低炭水化物グループの人々は2型糖尿病のリスクが6%低いことが示されたとのこと。対照的に動物性タンパク質と脂肪に重点を置いた食事をとる低炭水化物グループ(いわゆる糖質制限に近いグループ)は、2型糖尿病のリスクが35%高く食事で全粒穀物を最小限に抑えた場合ではリスクが39%も高くなったとしています。

つまり糖質制限をしたつもりで動物性タンパク質(つまり肉)や脂肪を摂取した場合は、そうではないグループよりも逆に糖尿病リスクが増すということが明らかになりました。アメリカ心臓協会は魚や魚介類、豆類やナッツ、低脂肪または無脂肪の乳製品および赤身の肉などさまざまな果物や野菜をバランスよく健康的なタンパク質源を含む食事をとることを推奨しています。

*抄訳したものを掲載しています。医学的な内容につきましては必ず医師の説明を受けてください。