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日本が配備しているF-2の後継機、次期F-Xとして運用を目指すマルチロールファイターの計画が長らく続いていました。先日次期戦闘機開発は国際共同開発として日・英・伊の3カ国を中心に行うことが決定しました。

三菱重工によると日本政府は本日(2022年12月9日)、英国政府およびイタリア政府との間で、次期戦闘機を共同で開発することを発表した、としF-2の後継はこの3各国で共同開発した機体を導入する案で最終合意となりました。

三菱重工 | 日英伊3ヵ国による次期戦闘機の共同開発について

この機体については航空宇宙自衛隊の『F-3』となる機体で、これまで『国際共同開発案』『国内開発案』『既存機の能力向上型の購入案』の3つの案から導入する計画が進められました。しかし国内技術だけで開発するのは難しいとして断念。『既存機の能力向上型の購入案』では例えばアメリカ側からF-22にF-35の機能を載せるような案も提示されていたらしいのですが、あまりに高コストだという理由もあり断念。
最終的に『国際共同開発案』として現在に致ります。

またアメリカとの開発は日本が求める改造などが自由に行えない制約がこれまでも問題になっていました。一方で、イギリスから2018年に初公開した時点で「スウェーデンや日本と開発に向けた話し合いをした」と発表しており、共同開発を求められていたテンペストはそれらも比較的自由に行えるという点も高く評価されていたといわれています。

▼テンペストの初期構想


機体については事実上イギリスの第6世代戦闘機となるテンペスト計画に参画するという形になるのですが、機体デザインについてはイメージが掲載されているものの日本とイギリスが発表した機体デザインが異なるなど面白いことになっており、もしかしたら日本は異なるデザインが導入される可能性が示唆されています。

世界初の第6世代戦闘機となるか

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このイギリスのテンペストはイギリスの軍需大手BEAシステムズで既に開発が始まっていると説明しています。同機は更にイギリスのロールスロイスそしてミサイルで知られるMBDA、イタリアのレオナルドという名だたる航空軍需が開発を担当するというものでこれまでの戦闘機のさらに上をいう第6世代機になります。

具体的には第5世代機のF-22やF-35といった機体性能を凌駕するものであるとされ、ディープラーニング、人工知能、無人飛行能力、群集ドローン(ロイヤルウィングマンという無人機の運用)、指向性エネルギー兵器、仮想コックピット、極超音速兵器の運用など新しい次世代の技術が盛り込まれています。

この処理には膨大な電気エネルギーを機体に供給するシステムが必須となり、構想ではユーロファイター・タイフーンの実に10倍の電力を供給できるシステムを開発しているとされています。

同機は今後5年以内に試作機を作り2035年を目処に配備を目指すとしているのですが、イギリス側は「設計や製造工程におけるデジタル技術の活用などで開発期間を大幅に短縮する」と説明しています。