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人類の食糧維持に必要不可欠の小麦。様々な食材に使われるのですが、これに関して小麦フザリウム アタマジラミ (FHB) という真菌に感染しいわゆるカビがヨーロッパ全土の小麦から確認されていると発表されています。

小麦フザリウム アタマジラミ (FHB) 、一般的にボミトキシン(vomitoxin)と呼ばれ小麦の赤カビ病の原因となります。このカビについては自然界に広く存在しているものらしく、殺菌剤を撒くことである程度予防することができます。

このボミトキシンに関してEUでは人間が食用に使用しても良いレベルが設定されており基準値を超える場合は多くが飼料となるのですが食用と飼料では価値が低いため農家の経済的な問題に繋がります。

▼小麦の赤カビ病
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ヨーロッパではボミトキシンの汚染実態は詳しく調査されておらずよくわかっていませんでした。そこでバース大学やエクセター大学の研究者はデータセットを利用し分析したところ小麦フザリウム アタマジラミ (FHB)が既にヨーロッパ全土で広く分布していたことが分かったとしています。

研究では研究対象となったすべてのEUすべての国から検出され、全体としては食品用の小麦サンプルの半分から検出。特に英国では2010年から2019 年の間に作られた食用小麦の70%でボミトキシンが検出されました。
これらヨーロッパの小麦で記録されたボミトキシン汚染のほぼすべて(95%) は規制内だったとしています。しかし、この不合格だった5%については7500万トンという量になり金銭的には30億ユーロに達する額になるとしています。

現在ヨーロッパ全土にこの真菌が蔓延しているため殺菌剤アゾールが有効ですが長期間使用すると真菌に耐性ができることが確認されており既に他の菌に比べても高くなっているとのこと。そのため長期的には新しく病気を封じ込む方法を開発する必要があるだろうとしています。