RMITの研究者が発表したのは水を電気分解する方法で水素を取り出す案ですが、単純に電気を通すのではなく音波を使う方法です。具体的にどのような方法なのか。

Good vibrations turbo charge green hydrogen production - RMIT University
https://www.rmit.edu.au/news/all-news/2022/dec/green-hydrogen
High-frequency sound waves make electrolyzers produce 14x more hydrogen
https://newatlas.com/energy/hydrogen-sound-vibration-electrolysis/

RMITの研究チームは10MHz(10,000KHz)のハイブリッドの超音波を使ったといい、このれら超音波の振動により通常の電気分解よりも14倍も多い水素を発生させることができるといいます。

通常、電気分解は希少で高価なプラチナまたはイリジウム金属を使い最高の反応速度を得るために強力な酸性または塩基性電解質を使用します。当然これらは高価であるためRMITチームは、より安価な金電極と中性pHレベルの電解質を使用したとのこと。そして装置をオンにするとすぐに電流密度と反応速度が14倍という驚くべき速さになったとしています。

つまり電気1に対して14倍の水素を得られるのではなく、電気と水素の量は従来どおりですが14倍速く水素を作れるということのようです。いずれにしても水から水素を14倍も速く作れるというのは量を作る上で重要なものであり、単純には『1/14の規模』にできるため設備全体の小型化・低コスト化にもつながるため最終的にコストパフォーマンを高める方法になります。