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いくつかの理由から植えられている街路樹。みなさんの家の近く、道路脇、様々なところに街路樹があると思うのですが、この街路樹がある地域は無い地域よりも死亡率が低くなるという謎の研究が報告されています。

近年は「住んでいる場所の周辺環境」が寿命や健康状態に影響することが知られるようになり、自然の多い場所に住むとさまざまなメリットがあることが報告されています。アメリカ農務省山林局とバルセロナグローバルヘルス研究所(ISGlobal)が主導した新たな研究では、「植えられている街路樹が多い地域では住人の死亡率が低い」という結果が示されました。

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内容が長いので要約すると、研究はアメリカの国勢調査に使用される国勢統計区において過去5年間・10年間・15年間に植えられた街路樹の本数を調べ、オレゴン州保健局のデータを使用して、それぞれの地区における心血管疾患・呼吸器疾患・事故や事件などを除く非偶発的な原因による死亡率と関連付けて分析したというものです。

なぜオレゴン州なのかというと、バルセロナグローバルヘルス研究所(ISGlobal)によると、オレゴン州ポートランドでは非営利団体が30年間植林を行っているといい、そのような理由から調査対象になったと考えられます。

結果、より多くの木が植えられている地域ほど住人の死亡率が低いことが分かったとしており、街路樹と死亡率の相関関係は『心血管疾患および非偶発的な原因による死亡率において有意』であり、特に65歳以上の男性で顕著に見られたとのこと。
また地区当たりの平均年間植樹数である11.7本の木を植えると心血管疾患による死亡者数は年間5人減少し、非偶発的な原因による死亡者数は15.6人減ると研究チームは推定しています。

なぜ街路樹が?

気になるのはただの木が人に影響を与えるのかです。残念ながら記載はありません。つまりよくわかっていません。記事では「緑が豊かな地域とそうでない地域の両方で効果が確認されたことから、街路樹の植樹はいずれの地域にもメリットをもたらすことが示唆されました」と記載されているのみで考えられる理由についても具体的な記載はありませんでした。

高所得者説

まずこの手の研究については、そもそも誰がどのような理由から調査したのかを見る必要があります。例えば砂糖会社が砂糖の研究を行い「砂糖は体に悪い」と言わないように、このような研究は結果ありきになっているケースが非常に多く背景何があるのかを見る必要があります。特に誰が研究資金を出しているのかは注意しなくてはなりません。

今回はアメリカ農務省山林局が入っていることで少なくとどっち側の研究結果が提示されるのかは予想がつきます。

さてこの研究については木が人間の寿命や健康には直接影響することはないと考えられるのですが、それでも寿命や病気が減っていたとするならばそれは高所得者が多く住み、栄養のバランスがとれた食事、健康管理がされているためという単純な理由が考えられます。

当然スラム街など街路樹がないような地域では寿命そのものが低く、病気の発生率も高くなることが予想されます。つまり街路樹が多く植えられているような整った地域は整っていない地域よりも暮らしている人間の社会レベルが違うため健康にも差がでているという理由です。