JAMAに掲載された研究として最初に紹介するアメリカではこの10年で、実はアルツハイマー病の主要な危険因子が変わっているという内容を発表しています。

The #1 Risk Factor For Alzheimer's Disease May Not Be What You Think : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/the-1-risk-factor-for-alzheimers-disease-may-not-be-what-you-think
JAMA
http://10.0.3.233/jamaneurol.2022.0976

具体的に2011年のアメリカではアルツハイマー病の危険因子は1番に運動不足、さらに2番うつ病と3番喫煙とされていました。しかし現在は運動不足は危険因子に入っているものの順番は不明ですが肥満の次に運動不足の順番に変わっているとしています。

これはアルツハイマー病の研究が進んだことに理由にあります。特に強い遺伝的要素が関与していることが示唆されているものの、その他の因子として貧しい食生活、高血圧、うつ病、喫煙、歯肉感染症など、病気に寄与する可能性のある多くの環境要因もこれまで通り指摘されています。
このことから現時点で何がアルツハイマー病を引き起こすのか何が原因で異常なタンパク質が脳に蓄積するのかは断定はされていません。

ちなみに最近では『難聴』がアルツハイマー病の修正可能な危険因子として追加。2018 年の米国行動危険因子調査データから378,615人のうちアルツハイマー病を患った1/3強がこれら8つの危険因子のいずれかに関連しているのですが、それでも1/3という微妙な数でありかつ自己申告というデータになっているため曖昧なものとなっています。

その上でアメリカにおける全国的な分析で特定された最も一般的な危険因子は高い順に、中年の肥満、運動不足、低学歴と続いたとしています。この『低学歴』というのは初めて見聞きされた方も多いと思うのですが詳しい理由は記載がされていません。

記事によると中国とヨーロッパでは低学歴と運動不足がアルツハイマー病の2つの主要なリスク要因としており、肥満はトップ 3にはランクインしていないとのことで『肥満』というのは肥満が多いためアメリカ人の体型が理由になっているだけの可能性があります。