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先月発生した韓国の高速道路に設けられた防音トンネルの大規模火災について、韓国政府が当初設けられていた不燃性の必要性をその後削除していたことが明らかになりました。

韓国の複数メディアによると韓国国土交通部、日本で言う国土交通省にあたる組織が防音トンネルに使用する素材について今から10年前に「不燃性」指針を削除していたことがわかったと報じています。

具体的には国土交通部が2009年に出した『道路建設工事基準道路設計便覧』というものがあり、韓国の都市部に設置されている垂直の『防音壁』や今回火災が発生した『防音トンネル』などを含む防音施設の材質基準がに関して、使用する素材は『不燃性または準不燃性でなければならず内部の吸音材料は自己消火性により燃焼時に火炎が発生しない必要がある』としていました。

当然の内容ですが、2012年に改正された設計便覧には不燃性などの基準が意図的に削除されていました。具体的には素材の透過損失・吸音率・可視光線透過率についてのみガイドラインを示しておい、材料には防音性能の基準のみを明示し火災関連の安全基準は一切記載されていないとのこと。

不燃性を削除した理由

なぜ韓国政府は不燃性の文言を削除したのか。理由はよくわかっていません。2009年から2012年の基準を照らし合わせると安全性よりも騒音低減効果を重点的に見ていることは確実であり同様のことは専門家も指摘しているとのこと。

また2019年の韓国防災学会論文集でもすでに危険性が指摘されており「防音トンネルの火災安全性に関連する設置および品質規定は皆無なのが実情」と警告しており「防音トンネルが工期短縮および施工の便宜性を理由に熱可塑性プラスチックの防音板で施工されており、火災など災害状況発生時においては相対的に高い危険性を有することになっている」という指摘していました。

韓国ではセウォル号沈没事故以降安全性を明らかに無視したような安全軽視が理由で人の命が失われる事故が相次いでおり今回もそれが原因とも言えます。