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旅客機技術の向上でより長距離フライトをおこなるようになったことで特に海外旅行では利便性が大幅に向上しています。一方でその座席については水平配列となっているのですが、これを3D配列を目指すという計画が進められています。

旅客機の収益性を高めるには低燃費でメンテンス費用を抑え、さらに高寿命なエンジンなど思いつくところは多くあるのですが、最も重要なのは一度に多くの乗客を詰め込むことで1フライトあたりの利益を上げるという方法です。

しかし人間が安全に乗り降りするにはこれまでのように水平配置が望ましく、特に最新の機体になればなるほど座席も縮小させる方法で人をより多く載せようという取り組みも行われています。

そこで発案されているのは人を立体配置する方法です。

旅客機の2段式シートの座り心地は? CNN記者が体験(1/3) - CNN.co.jp

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これはCNNが報じたものでアレハンドロ・ヌニェス・ビセンテ氏という21歳大学生が発案したシートデザインです。これが2022年6月にはじめてに航空機内装の見本市「AIX」で展示されました。

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このように上下互い違いシートを設けることで幅としては人の膝上に上段のシートが来るというものになっています。こうすることで旅客機空中のデッドスペースに客席を設けることができるためより多くの乗客を搭乗させることができます。

問題はいくつかあり、まず手荷物を入れるキャビネットペースがありません。従来の旅客機ではシートの上に設けられているもののこの立体座席では設置できないため代わりに上のシートと下のシートの間の高さにスペースを設け手荷物を収納できるようになっているとのこと。格納できすサイズは不明です。

足を伸ばしていますが、必ずそうする必要はなく利用者が必要に伸ばすこともできるという案なっています。欠点としては座席空間です。下の座席は目の前に上のシート構造がはみ出しているものの上段は眼の前に構造がないため心理的に広い空間として認識することができます。したがって上下で窮屈感が圧倒的に違うという問題が生じています。

このシートデザインが将来の旅客機に採用されるというものではなく、理由は安全性の確保で業界では当局が設ける安全基準・自社が作る厳格なルールや規制があるためハードルが高いとのこと。

立体配置となると利用者は上下方向に移動する必要があるため健康な人しか乗ることしかできません。もちろん子供や高齢者は不可能でしょう。
転落で怪我をするなどの様々な問題、緊急時の脱出がスムーズに行えない問題、重量の問題があることは確実であり、結局製造もフライト後の整備も容易な従来形状が採用されるということが繰り返されています。