
近年Youtubeで爆発的な人気を集めることになったVtuber。これはWebカメラを用いて自分の動きをトラッキングすることで配信画面でアニメ調のキャラクターを動かすというジャンルです。しかしここ最近、中の人が本当にいないという謎のバーチャルヒューマンが中国で開発されていると報じられています。
アニメーションと音響技術と機械学習を組み合わせ、歌ったり配信で交流したりもできる「デジタルヒューマン」が中国で急速に普及しており、スキャンダルのない仮想インフルエンサーとしての活躍が期待されています。すでに中国のテクノロジー企業が積極的に開発を進めているだけでなく、政府もバーチャルコンテンツの普及に多額の予算を計上しています。莫大な収益を低予算で上げれるVtuber。中国ではYoutubeが閲覧できないので別の形での動画配信を行っているのですが、海外のVtuberを中国でデビューさせようと各国から引き抜きも行われている今のVtuber界隈です。
Gigazine
Youtubeでは数%の人気Vtuberが全体の再生数の90%ほどを獲得しているというしのぎを削る超ピラミッド社会となっています。今から新規参入したところで実力がなければ大半の人からは見向きもされず消えていくことがほぼ確実となっているのですが、一方で中国では必要不可欠な人材発掘をする必要がない「本当に中の人がいないバーチャルキャラクター」が誕生しているとのこと。
記事では一般的なVtuberとは若干異なるのですが、デジタルヒューマンという表現で中国政府が後押ししていることもあり特定の人が演じていないバーチャルヒューマン・およびバーチャル分野は伸びているとのこと。
費用については3次元のデジタルヒューマンの維持コストは年間約10万元(約190万円)。一般的なVtuberのような2次元では約2万元(約38万円)です。技術の向上に伴ってコストは1年で約80%低下しているとしており、費用対効果が優れているという印象があります。
当然人間を雇う場合は年間約10万元(約190万円)では済まず、少なくとも数倍~10倍は必要です。
ただ実際のところはどこまでバーチャル化しているのかがよくわかりません。どのようにキャラをうごかしているのか、高価なモーションキャプチャーを利用しているのかいないのか、AIで自動的に動きを作っているのかも不明です。
当然ダンスとなると動きは自動では作れないため最終的に演技者は必要です。つまり演技者(中の人)を用意するのではなく、ゲームキャラクターのように大勢が作り上げるキャラクターというものになっていると考えられます。これはいわゆる映画で仮想の人を動かすものと変わりません。
中に人がいないとなると個々のキャラクター性が全くない『量産型』となることは確実でです。特に実際の人と同じように個性が最重要視される現在のバーチャル分野では金を落とすファンがついてくるのかは疑問があります。
中国におけるデジタルヒューマンというのは私達が想像するようなVtuberの代役というよりも、例えばニュースキャスターや案内といった個性が求められない商業分野での利用が広まっていく可能性が考えられます。