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私達人類が他の動物と違うのは道具を使うことです。しかし厳密にいえばそうでではなく霊長類など一部の動物も道具を使うことが分かっています。今回は過去見つかった石器が私達人類ではなくオマキザルが使っていたものだとわかりました。

この論文は考古学者のアグスティン・アグノリン氏と古生物学者のフェデリコ・アグノリン氏が発表したもので査読付きの科学雑誌「ホロセン」に掲載されています。

Monkeys – Not Humans – Made Ancient Sets of Stone Tools in Brazil, Study Finds : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/monkeys-not-humans-made-ancient-sets-of-stone-tools-in-brazil-study-finds

具体的にはブラジル北東部の『ピアウイ』という地域ではこれまで800を超える石器類が見つかっていました。過去の発掘調査でこの地域で産出される石英と珪岩の丸石から作られた古代の石器と思われるものを発見していました。

発見された最も古い石器は50,000年前のものであると推定されており、一部の学者はこの地域で初期の人間が住んでいた証拠を提供したと理論付けました。しかし2016年になると状況がかわることになります。

人間が作ったものじゃない…!?

その後の調査でブラジル北東部に生息する霊長類オマキザルが多種多様な石器を作り使用していることがわかりました。



オマキザルが今も使っている石器を調査した結果、発見された石器は人間によって作られたものではないことを示唆する説得力のある証拠がすでに揃っているといい、アルゼンチンの国立科学技術研究評議会には「ブラジルの古代遺跡は最初の人に属していたのではなく、実際にはサルの活動の産物であることを示唆しています」と説明しています。

内容では50,000 年前の人間の道具と考えられていたものと今のサルが作ったものとの間に違いは無かったとしています。また砕けたような岩片についてもオマキザルは石を叩きつけてナッツなどを割っているため使っているときに砕けるため人間が石器を作る際に発生する岩片のようなものが作られるとしています。

そして決定的などはここで人が生活していた痕跡がないことです。この遺跡には人間の存在の痕跡を示唆する証拠はなく特に囲炉裏や食事の痕跡が無いと指摘しています。

結論としてこれら遺跡とするもので見つかったモノの全てはオマキザルが木の実を割るときに使った石器であることがほぼ確定となりました。