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主に銀河の中心に存在する巨大なブラックホール。この周辺ではあまりの質量で時間の進み方が違うという完全におかしなことになっているのですが、地球から5億年ほど先に2つのブラックホールが公転する連星を見つけたと報じられています。

太陽よりも重い構成がその一生を終える過程で形成されるのはブラックホールです。いわゆる超新星爆発後、更に自らの重力で圧縮され重力が無限大になっているという特殊な天体です。

ALMA Scientists Find Pair of Black Holes Dining Together in Nearby Galaxy Merger - National Radio Astronomy Observatory
https://public.nrao.edu/news/black-holes-dining-galaxy-merger-alma/

これら超大質量ブラックホールは主に銀河の中心に存在しています。観測されたものの中で最大クラスのものは推定で太陽質量の210億倍あり、光すらも脱出できない事実上のブラックホールの中心部分の大きさとなる事象の地平面の直系が約1300億kmもあるという桁違いな天体も存在します。

▼想像図 右が連星ブラックホール
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今回観測されたのは地球から見てかに座の方向、約5億光年先にある銀河「UGC 4211」の中心。ケックII望遠鏡を用いた近赤外線の観測から2つの超大質量ブラックホールが2つ、互いの重量で公転し合う様子が観測されました。このような連星は稀に見つかっているのですが今回は双方の距離が750万光年と最も近かったことで話題になりました。

双方のサイズは推定で太陽質量の2億倍、もう一つは1億2600万倍と考えられています。このようなブラックホールは他のブラックホールや惑星などを飲み込み巨大化することが知られており、この2つの天体もこれから今後距離をさらに縮め合体し1つになることが予想されます。

このような大質量天体の衝突は現在重力波を観測する新たな望遠鏡が開発されたことで研究が更に進められています。