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都市に存在する汚染物質が水に流れたどりつく先は川です。米大学によると、アメリカ中の川や湖で500匹以上の淡水魚を捕獲し調査した結果、PFAS=有機フッ素化合物1ヶ月分に相当する量を摂取することが分かったと発表しています

アメリカの川や湖で捕獲された淡水魚1匹を食べると、有毒な化学物質で汚染された水を1カ月分飲む場合と同量の化学物質を摂取してしまうという研究結果が、アメリカ・デューク大学のナディア・バーボ氏らの研究チームによって発表されました。

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よごれや油をはじく、熱に強い、薬品に強いなどと人間が扱う様々な製品に使用されているのは発がん性が疑われるPFAS=有機フッ素化合物です。これはPFOSやPFOAなど数千種類の物質の総称ですが、フライパンのコーティングや消化剤、食品の包装紙などの様々な製品にこれが使用されており環境への流出がすでに確認されています。



そこでPFASの汚染の状況を確認するため研究チームは2013年~2015年にかけてアメリカ中の川や湖で500匹以上の淡水魚を捕獲し、PFAS汚染のレベルを調査。結果、PFASの中央値は淡水魚1kgあたり9500ナノグラムでした。検出されたのは量は75%は危険性が最も高いとされているペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)だったとしています。

問題はこの量がかなり多いことです。これを淡水の魚1匹に当てはめると、PFAS汚染された水1ヶ月分に相当する量になるとしています。ちなみに記事によるとアメリカ食品医薬品局(FDA)が検査した養殖魚のPFASレベルの約278倍だったと報告しています。

PFASについては当然人間以外は使用することはないので人口密度が高い地域の河川やその河口付近の魚が特に高いということが考えられます。もちろんアメリカ特有の問題ではなく、同様のリスクは日本も例外ではないことは確実です。