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発がん性や糖尿病などのリスクが指摘されているのはフライパンなど様々な製品に使用されている有機フッ素化合物です。これが水に流出し環境を汚染するリスクが指摘されているのですが、この自然界では安定した分子構造で長期間分解しないとされる物質を水中から取り除く方法が報告されています。

クイーンズランド大学の研究者が発表した論文で、水から PFAS化学物質を除去するのに役立つ技術を開発したというものです。この研究ではPFASに汚染された水を磁性フッ素化ポリマー吸着剤と呼ばれる溶液を用いることで、簡単な磁石使用することで汚染物質を引き付けて水から分離するという極めて画期的かつ簡単な方法です。

Magnetic solution removes toxic "forever chemicals" from water in seconds

研究の結果、PFASを含んだ水の少量のサンプルを使ったテストでは、特に問題のある化学物質である GenXは99%以上、ほとんどのPFASに分類される分子を95%以上を30秒以内に除去できることを発見しましたと主張しています。



これまで水中から取り除く方法は紫外線などを用いる方法が考案されてきたものの磁性フッ素化ポリマー吸着剤と磁石という簡単な装置を用いるだけで良いとしており、吸着剤については10回程度再利用することができ、磁石はほぼ永久に再利用することができます。

さらに紫外線などよりも除去率高い上に、遥かに素早く回収できるという特徴があり、エネルギーも消費しないということで極めて低コストで運用可能なものになっているとのこと。

研究者によると「早く、安く、非常に簡単な方法で除去でききることが示されている」としており、今後3年以内にさらに多くの試験を実施し製品を販売できるようにしたいとも話しています。