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航空・宇宙大手ボーイングは軍事で運用するより生存性の高いステルス性能を高めた輸送機、及び空中給油機として使用できる機体コンセプトを発表しました。

The DRIVEによると、2023 AIAA SciTech Forum and Expositionに出店したボーイングのブースで展示・発表されたもので特に機体名などは付けられていません。

Stealthy Tanker-Transport Aircraft Concept Unveiled By Boeing
https://www.thedrive.com/the-war-zone/stealthy-tanker-transport-aircraft-concept-unveiled-by-boeing

この機体は翼と主翼構造が合体しているものでブレンデッドウィングボディを採用しています。よく似た形状としてはB-2のような三角形のものがあるのですが、こちらは胴体にあたる部分と主翼部分がなめらかにくっついているという特徴があります。

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なぜステルス性能を高めた輸送機および空中給油機が必要なのかに関して、記事ではフランク・ケンダル米空軍長官が、「より生存可能なエアリフターと空中給油タンカーをより多く持つことが、近い敵との将来のハイエンドの紛争において重要になる」と最近発表していました。

敵とは中国のことを指すのですが、要するに空中給油機や輸送機といった戦力の維持に必要不可欠な機体は一方でとても脆弱であるためです。そこでステルス性能を付与した機体であれば撃墜されたり発見されたりする可能性を低くすることができるため防御面は高くなるだろうというものです。

またこの機体形状にすることで優れた飛行性能を獲得しており、例えば同じ貨物重量をもつ機体であれば燃費は30%ほど高くなるとしており、将来的には無人運用なども行えるようにするとのこと。

アメリカ軍ではC-17という大型輸送機があるものの2015年以降は生産を停止しており次世代の機体開発を進めようとしているとのこと。そこで重要になるのは射程が数百キロになることもある長距離ミサイルの驚異を回避する使用であり、特に、その射程内に入っている日本の沖縄など東アジアでは空中給油機は高価な兵器でもあるため格好の的になるという警戒があるとのことです。